サッポロガーデンパーク

札幌市東区に広がるサッポロガーデンパークは、かつてサッポロビール札幌工場（札幌第2製造所）が稼働していた広大な敷地を再開発して誕生した複合施設です。この場所は、開拓使時代に北海道でのビール造りが始まった歴史的な地であり、その貴重な遺産を受け継ぎながら、未来へと繋がる新たな都市空間を創出することを目指して整備されました。

施設内には、国内で唯一のビール専門博物館である「サッポロビール博物館」をはじめ、人気のショッピングセンター「アリオ札幌」、ジンギスカンなどの食事が楽しめる「サッポロビール園」、そしてプロ野球チーム、北海道日本ハムファイターズの屋内練習場など、多岐にわたる機能が集積しています。緑豊かなオープンスペースが多く確保されており、地域の人々や観光客にとって憩いの場、賑わいの場となっています。その優れた緑化への取り組みは高く評価され、『緑の都市賞』奨励賞や『全国花のまちづくりコンクール』国土交通大臣賞といった賞を受賞しています。

開発の背景とコンセプト

サッポロビール札幌工場は2003年に閉鎖されましたが、敷地内に残る赤レンガの建物群は、北海道開拓の歴史や産業遺産として貴重な存在でした。再開発にあたっては、これらの歴史的建造物を保存・活用するとともに、敷地に元から生育していた原生林の一部も可能な限り保全。近代的な複合施設の機能性と、北海道らしい自然や歴史の趣が融合した都市空間がデザインされました。

この地にあるサッポロビール博物館は、「札幌苗穂地区の工場・記念館群」の一つとして北海道遺産に選定されており、産業観光の拠点としても重要な役割を担っています。来館者は、日本のビール産業の歴史やサッポロビールの歩みについて深く学ぶことができます。

構成施設

サッポロガーデンパークを構成する主な施設は以下の通りです。

サッポロビール園: 開拓使館やポプラ館、ライラック館といった趣の異なる建物で、北海道名物のジンギスカンをはじめとした料理やサッポロビールを味わえるレストラン・ビアホールです。特に開拓使館は歴史ある赤レンガ建築が特徴で、館内に設けられたトロンメルホールやケッセルホールで食事を楽しめます。新星苑が運営しています。
サッポロビール博物館: 日本のビール産業に関する貴重な資料を展示する博物館です。試飲なども可能で、ビールの歴史と文化に触れることができます。リニューアルを経て展示内容などが刷新されています。
アリオ札幌: ファッション、雑貨、書籍、食品など多様な店舗が集まる大型ショッピングセンターです。地域住民の日常生活を支えるとともに、来訪者も買い物を楽しめます。
北海道日本ハムファイターズ屋内練習場: プロ野球球団、北海道日本ハムファイターズが使用する練習施設です。選手用の宿舎も併設されており、チームの活動拠点の一つとなっています。優れた建築としても評価され、受賞歴があります。

沿革

サッポロガーデンパークの歴史は、現在のサッポロビール園や博物館の前身施設から始まります。

1966年：「開拓使麦酒記念館」（サッポロビール博物館の前身）と「サッポロビール園」が開業しました。
1968年：ビール園に「トロンメルホール」がオープン。
1972年：ビール園に「ライラック館」がオープン（2005年に取り壊し）。
1977年：ビール園に「ポプラ館」がオープン（1992年に新たな「ポプラ館」が開業）。
1987年：「サッポロビール博物館」として開館しました。
2003年：サッポロビール札幌工場が閉鎖。北海道日本ハムファイターズ屋内練習場が完成しました。
2004年：サッポロビール博物館がリニューアルしました。
2005年：ビール園に「ガーデングリル」がオープン。複合施設全体が「サッポロガーデンパーク」として開業し、同時に「アリオ札幌」もオープンしました。
2015年：アリオ札幌がリニューアルしました。
2016年：サッポロビール博物館が再度リニューアルしました。

現在、サッポロガーデンパークを含む周辺エリアは、札幌市や関係機関によって進められている「苗穂駅周辺地区まちづくり計画」の対象範囲となっており、今後もさらなる発展が期待されています。

アクセス

サッポロガーデンパークへのアクセスは、公共交通機関が便利です。

バス: 北海道中央バスの「サッポロビール園」「北8条東8丁目」「サッポロビール博物館」「アリオ札幌」などのバス停が利用できます。
JR: 札幌駅北口から車で約7分、苗穂駅北口からは徒歩約7分です。
* 地下鉄: 札幌市営地下鉄東豊線東区役所前駅4番出口から徒歩約10分〜15分です。

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