サテスタ23

『サテスタ23』は、1969年10月4日から1970年1月10日まで、毎週土曜日の夜11時から11時30分に、ABCテレビを始めとする当時のJNN系列局（現在のTBS系列）で放送されていた音楽番組です。全14回放送され、日本ヴイックス（現在のP&Gプレステージ）が単独で提供していました。

この番組は、著名な音楽家のライブパフォーマンスを放送するというコンセプトで、深夜の時間帯に特別な音楽体験を提供していました。番組の大きな特徴は、単にライブ映像を流すだけでなく、ホスト役の田宮二郎と桂三枝（後の六代桂文枝）が、毎回異なるゲストの著名人を迎え、共に音楽を聴きながらトークを展開するという形式を取っていた点にあります。このトークセッションが、番組に深みと親近感を与え、視聴者にとってより魅力的なものとしていました。

番組収録の舞台となったのは、大阪市大淀区（現在の北区）にあった朝日放送の社屋に隣接するホテルプラザの23階、つまり屋上でした。この場所は、当時としては非常にユニークで、都会の夜景を背景にした特別な空間が、番組の雰囲気作りに一役買っていました。23階という高層階での収録は、番組タイトルである「サテスタ23」の名前の由来にもなっています。

『サテスタ23』は、音楽とトークを融合させた、当時のテレビ番組としては珍しい試みであり、深夜番組でありながら、多くの音楽ファンに支持されました。田宮二郎と桂三枝という、異なるジャンルの才能を持つ二人がホストを務めたことで、番組は独自の魅力を放ち、視聴者にとって忘れがたい番組の一つとなりました。

この番組は、単に音楽を届けるだけでなく、音楽を媒介として、出演者たちの人間性や、その時の感情や考えを垣間見ることができたという点で、単なる音楽番組以上の価値を持っていたと言えるでしょう。当時の音楽シーンと、テレビ番組のあり方を考える上で、重要な一例として記憶されるべき番組です。

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