サテリコン (バンド)

サテリコン (Satyricon)

サテリコンは1990年にノルウェーで結成されたブラックメタルバンドで、音楽シーンで特異な存在感を放っています。元々はデスメタルバンド「イグジマ」としてスタートした彼らは、1991年にブラックメタルへ転換する際にバンド名を現在の「サテリコン」に変更しました。この転機には新たにサティアーがメンバーに加わり、彼のリーダーシップの下でバンドが進化していくことになります。

バンドの経歴

初期のメンバーはサティアー（ボーカル）、レマーチャンド（ギター）、ウォーゴッド（ベース）、エグジュータム（ドラムス）の4人でした。しかし、1992年になるとウォーゴッドとエグジュータムが脱退し、レマーチャンドがベースに転向。その後1993年にレマーチャンドも脱退し、サティアーは一時的に孤立した状態に置かれることになります。

この困難を乗り越えるため、サティアーはエンペラーのサモス、現ドラマーのフロストを迎え入れ、常に新しいメンバーが入れ替わるダイナミックな体制が構築されました。1997年にはサモスが脱退し、その後はサティアーとフロストのデュオ形式に移行。以降、サティアーがレコーディングの全ての楽器を担当し、ライブでは補助的なセッションミュージシャンを起用するスタイルが確立されました。

特に、サテリコンは2007年に日本に初上陸し、年2回の来日を果たすなど、国際的な活動を行うようになりました。彼らの独自の音楽スタイルとパフォーマンスが評価され、2009年には再度単独来日を行うなど、活動の幅が広がりました。2018年には8年ぶりの来日が発表され、ファンからの期待が高まりました。

音楽性の特徴

サテリコンの音楽スタイルは、初期はブラックメタルとトラッドを融合させたものでしたが、3rdアルバム『ネメシス・ディヴィーナ』でその音楽性に革新をもたらしました。このアルバムでは、ファストなブラストビートにシンフォニックな要素や抒情的なメロディを取り入れ、聴く者の心を掴む新しいサウンドが生まれます。その後、アルバム『Volcano』以降はヘヴィメタルに寄り添ったスタイルへと変化し、ミドルテンポで印象深いギターリフが聴かれる楽曲が増加しました。

サティアーの思想

サティアー自身はインタビューで、「ブラックメタルは必ずしもサタニックなものである必要はない。暗く、重苦しいものであれば良い」と語っています。この言葉からも、彼の音楽に対する独自の視点が垣間見え、ただのジャンルに留まらない深い思想を感じさせます。

メンバー

現在のメンバーにはサティアーがボーカルを担当し、ギターやベース、キーボードも手がけています。フロストはドラムスで活動しており、他にも「1349」や「キープ・オヴ・カレシン」といったバンドでも活躍しています。

過去のメンバーには、レマーチャンドやサモス、ヴェルドゥルヴが名を連ねており、彼らもまた各自のプロジェクトで成功を収めています。

ディスコグラフィー

サテリコンのディスコグラフィーは豊かで、以下のアルバムが挙げられます。

• - Dark Medieval Time (1994年)
• - The Shadowthrone (1994年)
• - ネメシス・ディヴィーナ (Nemesis Divina) (1996年)
• - レベル・エクストラヴァガンザ (Rebel Extravaganza) (1999年)
• - Volcano (2002年)
• - ナウ、ダイアボリカル (Now, Diabolical) (2006年)
• - ザ・エイジ・オヴ・ネロ (The Age Of Nero) (2008年)
• - サテリコン (Satyricon) (2013年)
• - Deep Calleth upon Deep (2017年)
• - Satyricon & Munch (2022年)

また、いくつかのEPやシングルもリリースされており、彼らの豊かで多様な音楽性が楽しめます。サテリコンは単なるバンドではなく、音楽を通じて個々の思想や感情を表現するアーティスト集団として、今後もその存在感を強めていくことでしょう。

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