サドラーズウェルズ劇場

サドラーズ・ウェルズ劇場について

ロンドンのサドラーズ・ウェルズ劇場は、特にコンテンポラリー・ダンスの分野で高い評価を受けている劇場です。しかし、バレエやフラメンコ、さらには歌舞伎といった多様なパフォーマンスも行われており、訪れる人々に様々なダンス文化を体験させてくれます。

この劇場の歴史は1683年にまで遡ります。当時、企業家のリチャード・サドラーが薬効のある井戸を発見し、そのそばにミュージック・ハウスを設立したことが起源です。劇場の現在の名前もこのリチャード・サドラーと井戸に由来しています。1927年にはオールド・ヴィック・シアターのリリアン・ベイリスによって再建され、1980年代末までサドラーズ・ウェルズ・バレエ団（現在のバーミンガム・ロイヤル・バレエ団）の本拠地となりました。公演はオールド・ヴィック劇場と共に行われていたため、劇場の名称には「ヴィック・ウェルズ」という愛称も存在しています。

現在の劇場、5代目は国営宝くじ再分配基金の支援を受けて1998年にオープンしました。1500席を有する大ホールに加え、200席のリリアン・ベイリス劇場も併設されており、多様なパフォーマンスが実現します。また、サドラーズ・ウェルズ劇場はオルドウィッチ近くのピーコック劇場でも拠点を構えており、ウェスト・エンド地域における重要な文化スポットとなっています。

現在の芸術監督兼CEOであるアリステア・スポルディングは、「Sadler's Wells is Dance」をスローガンに掲げ、イギリス国内でのダンスの中心的な存在を築く方針を進めています。彼の指導の下、シルヴィ・ギエムやアクラム・カーン、クリストファー・ウィールドン、シディ・ラルビ・シェルカウイなどがアソシエイト・アーティストとして活躍し、革新的な作品の共同制作が行われています。例えば、シディ・ラルビ・シェルカウイが振付を手がけた「Sutra」は、中国少林寺の武僧が出演したことで話題を呼び、世界各国でツアー公演が行われるヒット作となりました。

劇場の最寄りの地下鉄駅はエンジェル駅で、アクセスも便利です。これにより、ロンドン市内外から多くの観客が訪れ、ダンスの魅力を楽しむことができます。サドラーズ・ウェルズ劇場は、今後もダンスの最前線で新たな表現を創造し続けることでしょう。

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