サニーTSUBAKI

サニーTSUBAKI：愛媛のスーパーマーケットチェーンの興亡

愛媛県松山市に本社を置いていた株式会社サニーTSUBAKIは、かつて地域に根差したスーパーマーケットを運営していました。フジの完全子会社として再建を目指しましたが、2022年には全店舗が閉店し、現在は休眠状態にあります。この記事では、サニーTSUBAKIの創業から閉店までの歴史を、詳細にひも解いていきます。

創業から倒産まで

サニーTSUBAKIは1954年3月、愛媛県野村町（現在の西予市野村町）で創業しました。当初は「サニーマート」という屋号で営業していました。1972年には松山市に進出し、その後も店舗数を増やし、道後店、桑原店と、3店舗体制で地域住民に親しまれていました。

しかし、経営は順風満帆とはいきませんでした。2014年に社名と屋号を「サニーTSUBAKI」に変更しましたが、その後も厳しい経営状況が続き、2018年6月には、負債総額10億円を抱えて松山地方裁判所に民事再生法の適用を申請、倒産しました。この時、シジシージャパンも脱退しています。

倒産後、サニーTSUBAKIは伊予銀行とフジの支援を受けて経営再建を目指しました。同年6月27日には資金繰りの悪化を発表し、道後店と桑原店を一時閉店、古川店に営業を集約するという事態に陥りました。

フジ傘下入りと再建への道

民事再生計画認可決定を受け、2020年4月17日にはフジがサニーTSUBAKIの全株式を取得し、同社はフジの完全子会社となりました。フジ傘下入り後、サニーTSUBAKIは3店舗のリニューアルを行い、フジの電子マネー付ポイントカード「エフカ」の導入や、dポイントの取り扱い開始など、積極的な経営改革を行いました。

閉店と休眠状態へ

しかし、2022年1月、親会社のフジはサニーTSUBAKIの全店舗を2月中に順次閉店することを発表しました。店舗はグループ会社である株式会社フジマート四国、およびフジへ移管され、「スーパーABC」や「フジ」としてリニューアルオープンする計画でした。

2月13日には道後店と桑原店が閉店し、2月27日には古川店が閉店。これをもってサニーTSUBAKIは全店舗を閉店し、長年の歴史に幕を閉じました。その後、サニーTSUBAKIは休眠状態となり、フジ・リテイリングの公式サイトからも削除されました。

各店舗のその後

・古川店: 2022年2月27日に閉店。建て替えの上、同年11月24日に「フジ古川椿店」として再開業しました。
・道後店: 2022年2月13日に閉店。改装を経て、同年3月4日に「スーパーABC道後樋又店」として再開業しました。
・桑原店: 2022年2月13日に閉店。改装を経て、同年3月5日に「スーパーABC桑原店」として再開業しました。

まとめ

サニーTSUBAKIは、地域に密着したスーパーマーケットとして愛されながらも、経営の困難を乗り越えることができず、惜しまれつつも歴史の幕を閉じました。その歴史は、地域経済の変遷やスーパーマーケット業界の競争の激しさを象徴するものでもあります。フジ傘下入りによる再建策も実を結ばず、最終的に全店閉店という決断に至った背景には、様々な要因が複雑に絡み合っていたと考えられます。

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