サハラ (1983年の映画)

映画『サハラ』の概要

『サハラ』は、1983年に製作されたイギリスとアメリカの合同映画です。この作品は、タイトルに示される通り、サハラ砂漠で行われる国際ラリーに挑むヒロインの冒険を描いています。しかし、実際の撮影はイスラエルで行われました。物語は、1982年に発生した実際の事件にインスパイアされたもので、その事件とは当時のイギリス首相、マーガレット・サッチャーの息子がパリ・ダカールラリー中に一時行方不明となるというものでした。幸運にも彼は後に無事に発見されました。映画の中でもこの緊迫感が反映されており、視聴者に鮮烈な印象を与えます。

あらすじ

物語は1927年、デトロイトの少女デイルが父の死を悼む場面から始まります。デイルは亡き父の夢を受け継ぐべく、サハラ砂漠で開催される国際ラリーに参加することを決意します。しかし、このラリーには女人禁制という厳しい規則があるため、彼女は男装をすることになります。彼女は髪を帽子にしまい、付け髭をつけて、男の姿で参加することにしました。

デイルは彼女のチームと共に砂漠のコースを進んでいきますが、その道のりにはシャンブラ族とハマンチャ族の抗争が渦巻いており、危険が伴います。すると、デイルはシャンブラ族の族長、ラズールに捕まってしまいます。彼女は何とか逃げ出すものの、その最中に倒れ込んでしまいます。

そんな彼女を救ったのが、ラズールの甥で一族の長であるジャファールでした。この出会いから、物語は恋の展開とラリーの行方、そしてシャンブラ族とハマンチャ族の抗争が絡み合う波乱に満ちた展開へと進んでいきます。デイルとジャファールに生じる感情の変化や、サハラ砂漠での冒険が視覚的に描かれ、観客は彼らの旅に心を奪われることでしょう。

キャストと評価

映画には著名な女優ブルック・シールズが出演しており、彼女の演技は当時の映画界でも注目を集めました。しかし、同作品は第5回ゴールデンラズベリー賞に絡んで、 シールズは最低女優賞と最低助演男優賞（男装の姿）にノミネートされ、最低助演男優賞を受賞するという他では見られない結果を迎えました。このことから、『サハラ』は残念ながら批評家からの評価は冷ややかなものとなり、シールズはゴールデンラズベリー賞において最低助演男優賞を受賞した唯一の女優としての栄誉を持つことになりました。

『サハラ』は、肉体的な挑戦と精神的な葛藤、さらに恋愛が交錯する作品であり、主題が持つ普遍性からも評価され続けています。観る者に、新たな冒険への好奇心をかき立てるこの映画は、サハラ砂漠の厳しい美しさと共に、デイルの勇気と愛を描いた心温まる物語です。

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