サバイバルファミリー

映画『サバイバルファミリー』の概要

『サバイバルファミリー』は、2017年2月11日に日本で公開された映画で、脚本および監督は矢口史靖が担当しました。この作品は、突如として起こった電気消滅によって、廃墟と化した東京を脱出する一家の姿を描いたサバイバルコメディです。出発点となるのは、電力とその他のライフラインが完全に停止してしまった世界。その中で、鈴木一家は生き残るために苦闘を繰り広げます。

公開と興行成績

この映画は全国268スクリーンで上映され、公開初日の2日間で1億6,534万9,100円の興収を上げ、動員は12万9,886人に達しました。この結果、映画観客動員ランキングで初登場第2位を記録しました。また、同映画は第1回マカオ国際映画祭のコンペティション部門にも出品されました。

作品の背景

映画は2002年から構想が練られ、2003年の北アメリカ大停電を契機に制作が進められました。鈴木家の子供たちである賢司役は泉澤祐希、結衣役は葵わかながオーディションを通じて選ばれたことも特筆すべき点です。

ストーリーの概要

物語は、東京に住む鈴木一家が直面する電気の消失から始まります。ライフラインが完全に停止し、生活に必要な全てのものが使えなくなります。自動車や携帯電話、さらには情報通信手段までもが使えない状況で、家族は自給自足の生活を強いられます。

公的な通貨には価値がなくなり、物々交換が日常的な手段となります。鈴木一家は、西日本にはまだ電力が残っているという情報を頼りに、鹿児島へ向かうことを決断します。しかし、交通機関は使えないため、自転車での長旅を余儀なくされます。家族は、高速道路を自転車で北へ進み、途中でさまざまな人々と出会いながら、目的地へと向かっていきます。

キャラクター紹介

鈴木義之（演：小日向文世）

家族思いでありながら、自己中心的な一面も持つ会社員。困難な状況の中で決断を下していきます。

鈴木光恵（演：深津絵里）

専業主婦でありながら、交渉に長けた一面も持つマイペースな女性。

鈴木賢司（演：泉澤祐希）

大学生で音楽好きですが、家庭に無関心な一面がある。技術的な知識を持ち、道中で自転車のトラブルを解決します。

鈴木結衣（演：葵わかな）

高校生でスマートフォンに依存しているが、その環境に疲れを感じている一面を持つ少女。

映画では他にも多くのキャラクターが登場し、それぞれの背景や人間関係が描かれています。

ロケ地と撮影方法

本作はCGを使用せず、オールロケーションで撮影されました。撮影地は仙台市や山口県を中心に、日本国内の各所で行われ、ロケ隊の総移動距離は約1万キロにも及びました。また、重要なシーンは山口で撮影が行われ、リアルな体験感が映画に生かされています。

Blu-ray/DVDリリース

2017年9月20日にBlu-rayとDVDが発売され、特典映像やエディションも充実した内容となっています。特にスペシャルエディションには監督のサバイバル術を描いた特典映像が収録されています。

まとめ

『サバイバルファミリー』は、いかにして逆境を乗り越え、家族が絆を深めていくかを描いた作品であり、その中にコメディ要素も盛り込まれています。観客は、このハートフルな家族の冒険を通して、日常の大切さや家族の絆について考えさせられることでしょう。

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