サバカン SABAKAN

映画『サバカン SABAKAN』の概要

『サバカン SABAKAN』は、日本の映画作品であり、2022年の8月19日に公開されました。この作品は、金沢知樹が監督を務め、脚本は彼自身と萩森淳が共同で執筆しました。主演には子役の番家一路が起用され、初めての映画出演となります。

この映画の基になったのは、2017年に草彅剛が「新しい地図」として新章をスタートさせ、その際に制作されたラジオドラマの企画です。金沢監督は、草彅しの希望に応じて、彼自身の子供時代の体験を反映させた作品を提案しました。そこで、長崎県長与町が舞台になったストーリーが生まれ、後にラジオドラマとして収録されましたが、実際にはお蔵入りとなりました。4年ほどの時を経て、この物語は映画として再構築され、金沢監督は初めて映画を手がけることになりました。

公開にあたっては、映画内に登場する『サバカンずし』をイメージしたスシローとのコラボが注目を集め、特別メニューとして『サバカンずし』や『サバカン アボカドずし』が期間限定で販売されました。また、作品のビジュアルをあしらったオリジナルデザインのサバ缶も販売され、映画の普及に寄与しました。2023年2月17日には、台湾で『追海豚的長崎夏日』というタイトルでの公開も決まっています。

映画のキャッチコピーには、「ここは80年代。青春の、少し前の、せいしゅん。」が掲げられ、80年代の長崎の雰囲気と若者の青春の日々が描かれています。

あらすじ

1986年の長崎を舞台に、小学5年生の久田孝明は、夫婦喧嘩が絶えない愛情深い両親と弟と一緒に暮らしています。彼は斉藤由貴とキン肉マン消しゴムが大好きな子供で、楽しい夏休みを過ごす中、家庭の貧しさからクラスメートの竹本健次から避けられています。しかし、偶然の出会いをきっかけに、二人は“イルカを見るため”にブーメラン島を目指す冒険を始めます。

この旅の中で、二人は海で溺れかけたり、マフィアに絡まれたりと苦難に見舞われますが、勇気を持って立ち向かうことで友情が深まります。困難も多いこの冒険の中で、やがて彼らを待ち受ける別れが訪れることを予感させる悲劇が影を落とします。

キャスト

映画のキャストには、番家一路が久田孝明役を、原田琥之佑が竹本健次役をそれぞれ演じています。久田の母親役は尾野真千子が演じ、彼女は厳しさの中にも愛情を持つ母親を再現。父親役には竹原ピストルが起用されました。さらに、草彅剛が現代の孝明を語り手として演じ、物語を進行させます。その他にも、さまざまなキャストが揃い、それぞれの役割が物語を彩ります。

スタッフ

監督であり脚本家を務める金沢知樹をはじめ、さまざまなプロデューサーや技術者がこの作品に携わりました。音楽は大島ミチルが担当し、主題歌にANCHORの「キズナ feat. りりあ。」が起用されるなど、音楽面でも魅力的な要素がありました。

受賞歴

『サバカン SABAKAN』は多くの映画賞でも評価され、ジャパニュアルウィーン日本映画祭では観客賞を受賞しました。また、第47回報知映画賞では尾野真千子が助演女優賞を獲得し、第77回毎日映画コンクールでは番家一路が新人賞を受賞しています。2023年にはおおさかシネマフェスティバルで作品賞を受賞するなど、注目の映画として歩みを続けています。

まとめ

この作品は、80年代の少年たちが体験した冒険と友情を描いた心温まる物語です。家族愛、友情、そして青春の苦悩をリアルに映し出すことで、多くの観客の心に響く作品となりました。

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