報知映画賞

報知映画賞

報知映画賞（ほうちえいがしょう）は、報知新聞社が主催する日本の名誉ある映画賞であり、1976年に設立されました。この賞は、日本で劇場公開された作品の中から優秀な映画を対象とし、毎年11月頃に受賞者が発表され、12月に授賞式が行われます。

設立と背景

報知映画賞は、スポーツ新聞としては初めて独自に開催された映画賞であり、日本アカデミー賞よりも1年早くスタートしました。設立当初、日本映画の観客動員数が減少していた状況を背景に、報知新聞社の映画担当記者たちが「映画界を再び活性化させたい」との思いからこの賞を創設しました。これは邦画黄金時代を知る人々の希望の表れでもありました。

特徴

本映画賞の特筆すべき点は、一般読者が参加できるファン投票を取り入れていることです。各賞の候補となる作品は、この投票によって選ばれ、その中から選考委員会が受賞作を決定します。この方式により、受賞作品や受賞者が予想されることが多く、他の映画賞よりも早く注目を集めています。

また、年によっては特別賞が設けられることもあり、映画界の重要なイベントとして位置づけられています。授賞式では、素晴らしい業績を上げた受賞者に賞状と、著名なイラストレーターである和田誠がデザインしたブロンズ像が贈られます。1985年の第16回からは、賞金も授与されるようになりました。

歴代受賞作品

報知映画賞の歴史には、多くの著名な作品が名を連ねています。例えば、第1回（1976年度）の作品賞には市川崑監督の『犬神家の一族』が選ばれ、以後も数々の名作が受賞しています。第10回からは監督賞が新たに設けられ、また第42回からはアニメ作品賞も加わりました。

各回の受賞作品を見ていくと、邦画にとどまらず海外作品も選出され、特に1989年度には『ダイ・ハード』が受賞するなど、幅広い映画的価値が評価されていることが分かります。

近年の動向

最近では、アニメ作品の受賞にも力を入れており、例えば、第42回（2017年度）には「SING/シング|SING_シング」がアニメ作品賞を受賞しました。また、第46回（2021年度）には『君の名は。』が特別賞を受賞するなど、新たな作品への期待も高まっています。

報知映画賞は、これからも日本映画界の未来を見据え、観客や制作陣の両者に刺激を与え続けるでしょう。映画ファンにとって、この賞は毎年の映画界の動向を知るための重要な指標となっています。

もう一度検索