サファリラリー

サファリラリーの概要

サファリラリー（英語：Safari Rally）は、アフリカのケニアを中心に開催される国際ラリーイベントとして、世界ラリー選手権（WRC）の一部に位置付けられています。初開催は1953年で、エリザベス2世の即位を祝うために行われました。このラリーは、アマチュア大会から国際大会へと進化し、ラリー・モンテカルロ、RACラリーと並び「世界三大ラリー」となるほどの地位を確立しました。

例年、復活祭に合わせた時期、主に3月から4月にかけて開催され、ケニアのナイロビを起点としています。そのコースは、ビクトリア湖周辺に広がるケニア、ウガンダ、タンザニアを通り、かつては約5000kmもの距離を走破することもありました。このイベントは特に過酷な環境で行われ、「カーブレイカーラリー」として知られるように、1980年代には完走率が15％にも満たないことがありました。ラリーに参加するマシンの信頼性が重視され、時が進むにつれ、年間の距離が短縮され、他のWRCイベントのように秒単位での競い合いとなるスプリントラリーへと変化しました。

サファリラリーは、2002年にWRCのカレンダーから外れましたが、アフリカラリー選手権での開催を経て、2020年には18年ぶりにWRCとして復帰を果たしたものの、COVID-19の影響で2021年が正式な復帰年となりました。

イベントの特殊性

サファリラリーはその独自の特性から、一般的なラリーとは違ったコース設定がなされています。コースは完全に閉鎖されることが難しく、通常のリエゾンやスペシャルステージは存在しません。すべての行程がタイムコントロール（TC）区間に分けられ、各TCで設定された目標時間に対して遅れた分が累積します。その中のコンペティティヴ・セクション（CS）でタイムアタックを行い、最終的な順位が決まります。

サバンナを駆け抜ける未舗装道路は、乾燥時には砂埃が立ち、雨が降ると泥に変わるなど、極端な路面状況が選手たちを悩ませます。70km以上の直線が続くセクションがあり、最高速が試される場面もあります。このイベントでは1986年にトヨタ・セリカTCTが記録した250km/h以上が最高速とされています。

2021年のWRC復帰戦では、通常のラリーのようにクローズドコースのSSが設定されましたが、路面特性は変わらず、競技者たちはさまざまなトラブルに見舞われる厳しい戦いとなりました。

車両の装備

サファリにおいては「サファリ仕様」と呼ばれる車両の改造が認められています。これには、動物との接触によるラジエーターの損傷を防ぐアニマルバーや、車の可視性を確保するためのウイングランプ、泥の河になったコースでのシュノーケル、増加したスペアタイヤ、強化されたサスペンションなど様々な装備が含まれます。特にサファリでは、車内温度が50℃を超えることもあるため、ドライバーは軽装でレースに挑む姿がしばしば見られます。

日本勢の活躍

日本の自動車メーカーもこのラリーに数多く参戦しており、特に日産は1963年から参戦を開始しました。日産のブルーバードは、1970年に総合優勝を果たし、その後も多くの好成績を収めてきました。トヨタは1984年から参戦し、数多くの優勝を重ね、特に1995年には日本人として初めてサファリラリーでの総合優勝を果たしました。三菱も長期間にわたりサファリラリーに挑戦し、1996年にはトミ・マキネンの活躍により優勝を達成しました。

まとめ

サファリラリーは、その独特なコース設定と過酷な環境、さまざまな技術の挑戦から、多くのドライバーにとって名誉ある戦いの場であり続けています。日本メーカーも歴史的な成功を収めており、WRCにおいて注目されているイベントとなっています。

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