サブシー7

Subsea 7の概要：グローバルな海洋エンジニアリング企業

Subsea 7 S.A.は、海底におけるエンジニアリングおよび建設サービスをグローバルに提供する大手企業です。ルクセンブルクに登記上の本店を有するものの、実際の本社機能はイギリスのロンドンに置かれ、世界30カ国以上に事業拠点を展開しています。オスロ証券取引所（OSE）にも上場しており、その高い知名度と実績から、海洋開発業界において重要な役割を担っています。

歴史：AcergyとSubsea 7 Inc.の統合

Subsea 7社の歴史は、複数の企業合併の歴史と深く関わっています。そのルーツをたどると、1992年にデンマークのStolt-Nielsen Seaway A/SとルクセンブルクのStolt-Nielsen S.A.が合併して設立されたAcergy S.A.に遡ります。Acergyはノルウェーで設立され、ルクセンブルクに登記上の本店を置き、1993年にはオスロ証券取引所に上場を果たしました。

一方、アメリカ合衆国では、Subsea OffshoreとRockwaterが1999年に統合してHalliburton Subseaを設立、その後DSNDとの合併を経て、2002年にSubsea 7 Inc.が誕生しました。Subsea 7 Inc.は2005年にNASDAQに上場し、事業再構築を経て、2011年にAcergy S.A.と合併しました。この合併により、現在のSubsea 7 S.A.が成立し、Acergy S.A.が株式の54％を保有することとなりました。ロンドンを本社機能の中心に据え、グローバルな事業展開を加速させています。現在、Siem Industriesが約20％の株式を保有する主要株主となっています。2017年には、千代田化工建設の破産した子会社であるイマス・チヨダ・サブシーも買収し、事業の拡大を図りました。

事業領域：海底開発の多様なサービス

Subsea 7は、海底油田開発における幅広いサービスを提供しています。主要な事業領域は以下の5つに大別されます。

1. 海底油田開発（Subsea field development）: 海底油田の開発における設計、調達、建設、据付など、一連の工程を請け負います。
2. 石油掘削装置の遠隔操作サポート（ROV support to Drill Rig Operations）: i-Techと呼ばれる部門が、遠隔操作無人潜水機（ROV）を用いた掘削装置のサポート、検査、メンテナンスなどを提供しています。
3. 調査、修理、メンテナンス（Inspection, Repair and Maintenance）: 海底設備の定期検査、修理、メンテナンスサービスを提供し、安全で効率的な運用を支援します。
4. 調査と位置決め（Survey and Positioning）: Veriposと呼ばれる部門が、海底地形調査や位置測定などの精密な測量サービスを提供しています。
5. 海底技術の開発と応用（Development and Application of Subsea Technology）: 最新技術の研究開発と、海底開発における技術革新への貢献を行っています。

主要市場：世界各地への事業展開

Subsea 7の収益は世界各地に分散しており、北海が45％、西アフリカが28％、ブラジルが11％、アジア太平洋が8％、メキシコ湾岸が7％を占めています。これは、同社のグローバルな事業展開と、世界中の海洋油田開発プロジェクトへの積極的な参入を反映しています。

Subsea 7は、その技術力と実績、そしてグローバルなネットワークを通じて、今後も海洋開発業界を牽引していく存在として、重要な役割を果たし続けるでしょう。

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