サブラ (戦車)

サブラ: イスラエル製主力戦車の概要

サブラ（סברה）は、イスラエル・ミリタリー・インダストリーズによって開発された主力戦車で、既存のM60パットンを基にした改良技術を採用しています。この戦車は主に輸出向けに設計されており、特にトルコ陸軍に向けた改良版であるサブラ Mk.II（M60T）が著名です。

サブラの設計

サブラは、イスラエル国防軍が運用するマガフ6やマガフ7Cと同様の強固な装甲パッケージを採用しています。第三世代の複合装甲で構成されたその装甲は、戦闘時の生存性を大いに向上させるために開発されました。この戦車は、イスラエル製の120mm滑腔砲を主砲として装備しており、米国のM60シリーズとは異なる独自の設計が施されています。特に、サブラの砲塔はロングノーズ型で、追加装甲を装着することで防御力が強化されています。

サブラのバリエーション

サブラシリーズには、いくつかのバリエーションがあります。

サブラ Mk.I

サブラMk.Iは最初のモデルで、主にマガフ7Cやマガフ6Bシリーズと同等の能力を持ちます。IMI製の120mm滑腔砲や、エルビット・システムズ製の火器管制システム（FCS）を備えており、サスペンションが強化されているのが特徴です。また、制御系は全て電子化されており、近代的な戦闘条件に対応できるよう設計されています。

サブラ Mk.II

トルコの要求を反映したサブラMk.IIは、M60シリーズに近い設計が多く取り入れられています。従来の車長用キューポラを改良し、M85機関銃を装備したM1キューポラに変更されています。キューポラの設計はトルコ軍の使用状況に基づいており、より実戦的な対応が考慮されています。また、CITV（独立赤外線暗視装置）や爆発反応装甲も標準装備され、強化されたMTU製ディーゼルエンジンが搭載されています。これはトルコ国内でライセンス生産されたもので、パフォーマンスの向上に寄与しています。

サブラ Mk.III

サブラMk.IIIはさらなる改修を施されたバージョンで、装甲の強化やレーダー警戒装置、赤外線照射警戒装置を新たに搭載し、多岐にわたる戦闘状況に適応可能な仕様となっています。このモデルでは、メルカバMk.IVと同様の履帯が採用されており、運動性と耐久性が向上しています。

実戦での使用状況

サブラシリーズは実戦にも投入され、特に一部の車両は2016年に発生したトルコの軍事クーデターに関与しました。また、シリア内戦においても使用されており、戦闘中に対戦車ミサイルを受けて中破した車両が存在します。これらの実績は、サブラの戦闘能力と運用の柔軟性を物語っています。

運用国と展望

現在、トルコは170両のM60T（サブラMk.II）を運用しており、今後の展開についても期待されています。サブラの技術と改良能力は、国際的な市場でも高い評価を得ており、さらなる発展が見込まれています。サブラシリーズは、イスラエルの防衛技術とその革新性を体現する存在として、今後も注目されることでしょう。

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