サプレザ

サプレザ：欧州を駆け抜けた名馬の軌跡

サプレザは、アメリカで生まれ、フランスで調教された競走馬です。その馬名は、父馬と母馬の名を組み合わせたもので、特別な意味は持っていません。しかし、その競走成績は、まさに名馬と呼ぶにふさわしい輝かしいものでした。

4歳春までに3勝を挙げ、重賞競走でも好成績を残したサプレザは、2009年の秋、G1サンチャリオットステークスで、英1000ギニーなど英G1を2勝した強豪ガナーティを破り、優勝を飾ります。この勝利は、サプレザの調教師であるコレ調教師にとっても、開業12年目にして初のG1タイトル獲得という大きな喜びとなりました。

サプレザは、1600mから1800mのレースを得意とし、その持ち前の順応力と精神力で、フランス、イギリス、そして日本や香港など、様々な国のレースで安定した成績を残しました。調教師は、サプレザのセールスポイントを「順応力と精神力」と評しており、その言葉通り、異なる馬場状態にも対応できる高い適応力を見せていました。

特に、2009年、2010年、2011年のマイルチャンピオンシップには招待馬として出走。3着、4着、3着と、いずれも好走を果たしました。2011年には、1800万円もの褒賞金を獲得しています。しかし、2009年と2010年のレースでは、外枠に入ったことが敗因の一つとして挙げられており、もし枠順が違っていれば、結果も変わっていた可能性もあったでしょう。また、2010年にはヴィクトリアマイルへの選出もされましたが、気候による調整の遅れのため、出走を辞退しています。

2011年は、初戦のパレロワイヤル賞を制覇。ファルマスステークスとロートシルト賞では2着、ジャック・ル・マロワ賞では3着と、高いレベルで活躍を続けました。そして9月、サンチャリオットステークスで3連覇という偉業を達成。その後、マイルチャンピオンシップで3着に入った後、香港遠征に出かけ、香港マイルに出走しましたが、8着に終わりました。このレースを最後に、サプレザは現役を引退し、社台ファームで繁殖牝馬となりました。

所有権については、当初はオーナーブリーダーであるダグラス・マッキンタイヤ氏でしたが、2010年のサンチャリオットステークス優勝後に吉田照哉氏へと移転しています。

繁殖牝馬としてのサプレザも、その才能を発揮しました。2020年3月28日には、産駒のサトノインプレッサが毎日杯を制覇し、産駒による重賞初制覇を達成しました。しかし、同年の3月23日、サプレザは惜しまれつつもその生涯を終えました。

サプレザの血統背景も注目に値します。父であるSahmはG2勝ちが最高でしたが、母Salsabilは愛ダービー、英オークスなどG1を5勝した名牝でした。その血統を受け継いだサプレザは、母系からもその能力の高さを証明しています。母Sorpresaは現役時代12戦3勝と、サプレザほどの活躍はできませんでしたが、サプレザという名馬を生み出したことは、その才能を物語っています。また、Sorpresaの半兄には、1999年の阪神スプリングジャンプ優勝馬であるファイブポインターがいます。祖母Dubiouslyの半兄には、アメリカでG3を3勝したBill E. Shearsもおり、その血統の優秀さが伺えます。

サプレザは、その競走成績、血統背景、そして繁殖牝馬としての成功と、多くの側面から、真に偉大な競走馬であったと言えるでしょう。その活躍は、多くの競馬ファンに記憶され、語り継がれていくことでしょう。

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