サペラヴィ

サペラヴィ：ジョージアを代表する染色ブドウ

サペラヴィ（グルジア語: საფერავი）は、「塗料、染料、色を与える」という意味を持つジョージア原産のブドウ品種です。その名の通り、果肉まで赤いアントシアニンを含むタンテュリエであり、濃い色調のワインを生み出すことで知られています。ジョージアで最も著名なワインの多くに使用されており、その重要性は計り知れません。

特徴

サペラヴィは、中程度から大きめの楕円形または丸い果実を持ち、濃い青みがかった色をしています。皮は薄く、成熟期間は約5ヶ月。収量は中程度です。葉は大きく丸みを帯びた三裂形をしています。

このブドウから造られるワインは、特徴的な香りと調和の取れた味わい、そして心地よい渋みが特徴です。アルコール度数は10.5～12.5％、酸度は5～7％の範囲。長期熟成にも適した非常に濃い赤ワインとなります。また、高いアルコール濃度を生み出す能力があるため、より軽い品種とブレンドされることもあります。ジョージアで生産される黒ブドウの中で、最も生産量の多い品種です。

耐寒性にも優れており、極めて寒冷な気候にも耐えることができます。そのため、標高の高い地域やカヘティのような内陸部での栽培に適しています。

タンテュリエ系のブドウ品種は、通常ブレンド用として用いられますが、サペラヴィは単一品種のワインとしても高品質なワインを生み出します。

地理

サペラヴィは、ジョージア東部のカヘティ地方が原産地であり、現在ではジョージア全土に広まっています。カヘティ地方で生まれたブドウ品種としては最も古いものの一つであり、ジョージアのワイン産業において商業的に最も重要な品種と考えられています。

ジョージアとロシアで主に使用されていますが、近年では東ヨーロッパの他の地域（モルドバのプルカリなど）や、新世界ワインの地域にも広がっています。特に、フィンガー・レイクスやナイアガラ半島地域での栽培が知られています。オーストリアでも少数の生産者が栽培しており、有望な結果を出しています。オーストリアでは、ビクトリア州北東部のキング・ヴァレー地域が先鞭をつけました。現時点では、モルドバが世界最大の生産面積を有しています。

ワイン

サペラヴィ種から造られる、またはサペラヴィを主体とする著名なジョージアワインには、以下のようなものがあります。

キンズマラウリ: 半甘口のワインで、2年間熟成されます。クヴァレリ地区で生産され、サペラヴィの中でも遅摘みのブドウを使用します。
アカシェニ: キンズマラウリと同様の半甘口ワインで、グルジャアニ地区で生産されます。
ムクザニ: 辛口のワインで、3年間熟成されます。ムクザニ地域で生産され、ジョージアワインの中でも最良の一つとされています。
ナパレウリ: 辛口のワインで、3年間熟成されます。テラヴィ地区のナパレウリ村で生産され、ジョージアワインの中でも最良の一つとされています。
* アラザニ: 軽い半甘口のワインで、アラザニ地域で生産されます。サペラヴィ60%とルカツティリ40%のブレンドで、温暖な気候によりブドウの甘みが強くなります。

サペラヴィは、その深い色合いと豊かな風味で、世界中のワイン愛好家を魅了し続けています。ジョージアワインの歴史と文化を語る上で、欠かすことのできない重要な品種です。

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