ビクトリア州

ビクトリア州の概要

ビクトリア州（Victoria）は、オーストラリア連邦の南東部に位置している州であり、面積は国内の州の中で最も小さいものの、約650万人の人口を擁しており、人口密度は比較的高いです。州の中心である州都メルボルンには、ビクトリア州全体の約70%の人々が居住しています。

歴史

ビクトリア州は、その歴史が1803年にさかのぼります。当初、メルボルン近くのポート・フィリップ湾に最初の流刑植民団が入植しますが、わずか7ヶ月で崩壊しました。その後、1851年にバララットで金鉱が発見され、ゴールドラッシュが発生。これにより大規模な移住が促進され、急速に人口が増加しました。同年、ビクトリア植民地政府が設立され、州の名前は当時の女王ヴィクトリアに由来しています。

ゴールドラッシュはかなりの影響を持ち、1850年代には3万人以上の中国人がビクトリア州に上陸しました。これは、後の白豪主義に繋がる背景となる動きの一つでした。1901年にはオーストラリア連邦が成立し、ビクトリア州もその一部となりました。なお、連邦首都となるキャンベラが選定されるまで、メルボルンが一時的に首都として機能していました。

2018年には、中国の一帯一路構想にビクトリア州も参加し、中国と協定を締結しましたが、2021年にはオーストラリア政府がこの協定を破棄しました。

地理

ビクトリア州は、北側にニューサウスウェールズ州、西には南オーストラリア州と接しています。南側はタスマン海に面し、タスマニア島はバス海峡を挟んで望むことができます。州は温帯性の気候を持ち、標準時はオーストラリア東部標準時を採用し、夏時間も導入しています。

行政区域

ビクトリア州は9つの地域に分かれており、それぞれは便宜上の区分として用いられています。広域メルボルンやビクトリア西部地方など、多様な地域が存在し、それぞれ独特の文化と魅力を持っています。

主要都市

州内には、メルボルンのほかにもジーロング、バララット、ベンディゴなどの主要都市があります。特にメルボルンは473万人が住むオーストラリア最大の都市で、文化や経済の中心地となっています。

教育

ビクトリア州の教育制度は、州政府の教育訓練省が監督しており、初等、中等、高等教育の三層構造で成り立っています。義務教育は6歳から17歳までで、約3分の2の生徒が公立学校に通っています。ビクトリア州内には多くの大学があり、医療や技術などの分野で質の高い教育が提供されています。

ビクトリア州には、王立展示館とカールトン庭園を含む世界遺産もあり、地域の文化的な資源も豊かです。さらに、多様な観光地や美しい自然景観が広がっており、訪れる人々にとって多くの魅力を提供しています。

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