サムライソウル

ウルフルズ28枚目のシングル『サムライソウル』：東芝EMI時代のフィナーレを飾る力作

2006年1月25日、ウルフルズは28枚目のシングル『サムライソウル』をリリースしました。発売元は当時所属していた東芝EMI（現ユニバーサル ミュージック ジャパン）で、このシングルは、1992年のメジャーデビューから実に14年間在籍した同レーベルからの最後の作品という、節目のシングルとなりました。

表題曲「サムライソウル」は、ボーカルのトータス松本が当時傾倒していた黒澤明監督作品と、その作品に多く出演した俳優、三船敏郎へのオマージュとして制作されました。歌詞をよく見ると、左端の文字を縦に読むと「みふねとしろう」と読めるという、遊び心あふれる仕掛けが隠されています。楽曲自体も、力強く、それでいてどこか懐かしさを感じさせるウルフルズらしいサウンドに仕上がっており、聴く者の心を揺さぶる名曲と言えるでしょう。

カップリング曲にも注目です。まず「はばたく！」「一輪車」と、個性豊かな楽曲が収録されています。そして、4曲目には「バンザイ 〜まだまだ好きでよかった〜」が収録されています。これは、以前リリースされた人気曲「バンザイ 〜好きでよかった〜」の新規録音バージョンで、より洗練されたアレンジが施され、新たな魅力が加えられています。

さらに、『サムライソウル』はスポーツシーンでも使用されるなど、その人気は音楽シーンにとどまりませんでした。千葉ロッテマリーンズでは、当時所属していたフリオ・ズレータ選手の入場曲として千葉マリンスタジアムで流され、多くのファンを熱狂させました。また、Jリーグの川崎フロンターレでは、選手である谷口彰悟選手の応援歌としても使用され、スタジアムを盛り上げました。

楽曲の全作詞・作曲はトータス松本が担当し、編曲はウルフルズ自身が行っています。「バンザイ 〜まだまだ好きでよかった〜」のみ、伊藤銀次氏も参加しています。

その後、『サムライソウル』は、2017年2月22日に発売されたウルフルズトリビュートアルバム『ウルフルズトリビュート 〜Best of Girl Friends〜』において、片平里菜によってカバーされるなど、現在でも多くのファンに愛され続けています。

『サムライソウル』は、単なるシングルという枠を超え、ウルフルズの音楽性、そして日本の音楽史におけるひとつの重要な作品と言えるでしょう。東芝EMI時代の集大成として、そして新たな出発点として、このシングルは彼らのキャリアにおいて特別な位置を占めているのです。 楽曲の力強さ、そしてそこに込められたメッセージは、時代を超えて多くの人々の心に響き続けることでしょう。

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