サム・クロフォード

サム・クロフォード — 伝説のプロ野球選手

サム・クロフォード（Samuel Earl Crawford）は、1880年にネブラスカ州ワフーで生まれたプロ野球の右翼手で、左投げ左打ちの選手です。彼は「ワフー・サム」という愛称で親しまれ、1900年代にはデトロイト・タイガースの主力打者として名を馳せました。特筆すべきは、彼が持つ通算三塁打数のMLB記録です。

初期の経歴

クロフォードは高校時代、スポーツに秀でており、フットボールで2度ネブラスカ州の選手権を制しております。1898年には野球チームの巡業に参加し、1899年にはカナディアン・リーグのチャタム・レッズと契約してプロ選手の道を歩み始めました。この年、ウェスタンリーグを経てシンシナティ・レッズに昇格し、9月にはメジャーデビューを果たしました。初年度の成績は31試合の出場で打率.307というものでした。

レギュラーとなった1901年には、驚異的な16本塁打と104打点を記録し、本塁打王に輝きました。その中でも特筆すべきは、12本がランニングホームランであり、これが現行の1シーズンにおけるランニングホームラン数のMLB記録になっています。

デトロイト・タイガースでの活躍

クロフォードはレッズで4年間過ごしましたが、1902年オフに契約を巡ってデトロイト・タイガースとレッズが競合し、タイガースが3,000ドルの補償金を支払うことで彼を獲得しました。移籍した1903年シーズンには打率.335を記録し、リーグ最多の三塁打25本を放ちました。

タイガースは1905年にタイ・カッブを獲得し、1907年から3年連続でアメリカンリーグを制覇しました。クロフォードとカッブは良きライバル関係にありましたが、ワールドシリーズでは3年連続で敗北を喫しました。

1910年には120打点を挙げ、初めて打点王に輝き、1911年には自身最高の打率.378を記録しました。さらに、1914年と1915年には再び打点王を獲得し、三塁打数でも3年連続でリーグ最多という戦績を収めました。これらの成績は、30代を超えても衰えない彼の走力を証明しています。

引退とその後

1913年のオフには「世界周遊野球チーム」に参加し、日本にも訪れました。しかし1916年にはタイガースが若手選手を起用する方針を打ち出し、彼の出場機会は減少していきました。1917年を最後にメジャーリーグから離れ、その後はパシフィックコーストリーグでプレーを続けました。

1921年まで現役を続けた後は、南カリフォルニア大学などでコーチを務め、1935年から1938年にはパシフィックコーストリーグの審判も行いました。1957年にはベテランズ委員会によってアメリカ野球殿堂入りを果たし、1968年にカリフォルニア州ハリウッドで亡くなりました。その同じ年、シンシナティ・レッズは彼を球団の殿堂入り選手に選出しました。

クロフォードの功績と影響は、今なお多くの野球ファンに記憶されています。彼の卓越したパフォーマンスと不屈の精神は、野球界における伝説として語り継がれています。

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