サメのかぞく

ベイビー・シャーク：サメのかぞく

『ベイビー・シャーク』は、広く知られている童謡「サメの家族」に基づく楽曲で、特にK-POPの要素を取り入れたバージョンが国際的に有名です。この曲は元々ドイツの伝承童謡に由来し、徐々に形を変えながら欧米でキャンプソングとして楽しまれてきました。英語版では、サメに襲われる描写が含まれており、少し不気味ながらも子供たちにとって魅力的な要素となっています。

ピンクフォン版の誕生

2016年、韓国のスマートスタディー（後のピンクフォンカンパニー）が手掛けたアニメーション伴う「ベイビー・シャーク」は、瞬く間に多言語で広がりました。この楽曲はわずか半年で1億回以上再生され、多くの子どもたちに親しまれるようになりました。アプリやYouTubeを通じて発信され、K-POPの特性を取り入れたコッチュマ（振り付きのダンス）により、さらに多くの支持を集めました。

楽曲の韓国語タイトルは「상어가족」であり、これは「サメの家族」を意味します。ピンクフォン版が公開された後、この曲の人気はインドネシアやフィリピン、シンガポールにまで広がり、2018年にはアメリカやイギリスでも大きな反響を呼び起こしました。特に英語版は、2019年にBillboard Hot 100にランクインし、英国のシングルチャートでも成功を収めました。

グローバルヒットとアンセム化

一度ブームが起こると、多くのK-POPアーティストがこの曲をカバーし始めました。例えば、Red Velvet|Red_VelvetやTWICE、BLACKPINK、GOT7などの人気グループが披露しました。また、著名な歌手セリーヌ・ディオンもこの曲をテレビ番組で歌唱し、その影響力をさらにつけました。この曲は、映画「ジョーズ」のテーマにも似たイントロからスタートし、独自のファンシーなダンススタイルが特徴的です。

ピンクフォン版のYouTubeでの再生回数は、2020年には「Despacito」を超え、最も再生された動画となりました。さらには、2022年にYouTube史上初となる再生数100億回を達成し、その人気は留まることがありません。

論争と著作権問題

しかし、この楽曲には論争も存在します。2011年に発表されたジョニー・オンリー版との類似性が指摘され、同氏は2018年に著作権侵害の訴訟を起こしました。裁判はソウル中央地裁で行われましたが、2021年には原告側が敗訴し、今も控訴中です。一方で、より古い「Kleiner Hai」の作曲者は、この曲の著作権が公法の管轄であるため、印税が発生しないことをメディアに語っています。

日本における展開

日本においても、上原りさが「ベイビー・シャーク」の日本語版を正式にカバーしたことで注目を集めることとなりました。また、さまざまなカバーが登場し、人気は留まることなく拡大し続けています。ガシャポンや音楽アルバムが商品化されるなど、様々な媒体でその存在感を示しています。

『ベイビー・シャーク』は、世代を超えて親しまれ、子どもたちの心をつかむ楽曲として、今後も長く愛され続けるでしょう。

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