サライ (曲)

楽曲「サライ」の概要

「サライ」は、加山雄三と谷村新司により制作された日本の名曲で、1992年11月16日にファンハウス（現在はソニー・ミュージックレーベルズ）から発売されました。この楽曲は、オリコンチャートで最高20位を記録し、多くの人々に親しまれています。特に、日本テレビ系列のチャリティー番組『24時間テレビ 「愛は地球を救う」』のテーマソングとしての存在感が大きく、第15回（1992年）から毎年使用されています。

歴史的背景と制作

「サライ」は、1992年の第15回『24時間テレビ』の記念として制作されました。加山雄三は、ギターを通じて楽曲を作曲し、寄せられた愛のメッセージを基に谷村新司が歌詞をまとめました。この試みは、24時間以内に一本の歌を完成させるというものであり、その過程で数多くの視聴者からのメッセージが集められました。

CDには参加していませんが、歌唱指導を堺正章が担い、制作の様子は生島ヒロシが伝えました。完成した曲は、その後毎年のエンディングで谷村と加山が主に歌唱し、全国各地でボランティアや系列局のパーソナリティも加わる大合唱が行われます。特に2014年や2017年にはオープニングで歌われ、2022年には楽曲誕生30周年を特別に祝って番組の途中で歌唱されました。

この楽曲の売上から得られる印税の一部は番組のチャリティー募金に充てられ、カラオケの著作権料の一部も同様に基金に寄付されています。

曲の特徴と振付

番組で流れるのは原曲のアレンジバージョンであり、CD版とは異なるイントロや間奏、アウトロが特徴です。サビ部分は繰り返され、特に終わりの部分ではファンファーレ調のアウトロで締めくくられています。

さらに、この曲には振付「手話コーラス」があり、日本テレビの文化事業団によって番組のエンディングに披露されることもあります。これにより、曲のメッセージがより広く伝わるよう工夫されています。

曲名の意味とテーマ

曲名「サライ」はペルシア語に由来し、「宿」や「家」を意味します。日本テレビによると、この名前には「砂漠の中のオアシス」という意味も込められており、曲のテーマ「心のふるさと」に深く関わっています。このテーマは、多くの人々が共感できるものであり、楽曲が持つ温かさや安心感を反映しています。

別の場面での活躍

「サライ」は『24時間テレビ』だけでなく、他のテレビ番組やイベントでも使用されてきました。また、他局のパロディや演出でも歌われることがあるようです。加山雄三と谷村新司はそれぞれの名を冠したアルバムを1992年にリリースし、この楽曲をデュエット版として収録しています。

24時間テレビにおけるエピソード

「24時間テレビ」では、さまざまなエピソードが「サライ」と共に語られています。2003年には、チャリティーマラソンを行った山田花子の遅れを受けて、番組終了後に応援を兼ねて大合唱が行われました。2022年には、加山が85歳で引退を表明し、同年の『24時間テレビ』が彼の最後の歌唱となりました。

2023年には、谷村が病気のため出演しないまま亡くなり、彼にとっても最後の「24時間テレビ」での歌唱となりました。このように、両者の活動は楽曲の歴史の中で非常に重要な位置を占めています。

結論

発売から31年以上が経過する2023年8月でも「サライ」はカタログに残り続け、現在もアリオラジャパンから販売されています。この楽曲は時代を超えて人々の心に響くものであり、今後も歌い継がれることでしょう。

もう一度検索