サラゴサの戦い

サラゴサの戦い：スペイン継承戦争における激戦

サラゴサの戦いは、1710年8月20日にスペイン継承戦争のさなか、スペイン・ブルボン家軍とオーストリア軍を中心とする多国籍軍との間で繰り広げられました。

背景

1710年のスペイン戦役は、スペイン・ブルボン家がバラゲーを攻撃したことから始まりました。連合軍を率いるシュターレンベルク将軍は、イギリス軍の活躍によりスペイン軍の進軍を食い止めます。その後、スペイン軍は増援を得て再びバラゲーを攻撃しますが、アルメナラの戦いで大敗を喫します。この敗北により、スペイン軍はサラゴサへの撤退を余儀なくされ、指揮官も交代しました。

戦闘の経過

スペイン軍はサラゴサに到着後、エブロ川を背に陣を敷きました。数日間の小競り合いの後、同盟軍はエブロ川を渡河し、戦闘が開始されます。同盟軍は、スペイン、オランダ、イギリス、ポルトガル、オーストリアなどの多国籍軍で構成され、対するスペイン・ブルボン家軍も多数の兵力を擁していました。

戦闘は砲撃戦から始まり、その後、スタンホープ将軍率いる同盟軍がブルボン軍の左翼に攻撃を仕掛けます。ブルボン軍は一時的に優勢になるも、追撃の隙を突かれ、戦線を崩壊させられます。アルメナラの戦いと同様に、ブルボン軍の騎兵は果敢に攻撃を仕掛けますが、同盟軍を崩すには至らず、最終的に同盟軍が勝利を収めます。

戦闘の結果とその後

サラゴサの戦いにおけるブルボン軍の損害は甚大で、多く大砲や軍旗を失い、死傷者や捕虜も多数出ました。この勝利により、カール大公はサラゴサに入城し、マドリードへの道が開かれます。フェリペ5世はマドリードを放棄し、カール大公が入城しますが、市民の敵対的な態度に直面し、戦略的な不利も重なり、マドリードを撤退しました。

しかし、その後、イギリス軍がブリウエガの戦いで敗北し、残りの同盟軍もビリャビシオーサの戦いで敗れたため、サラゴサの戦いの勝利は、戦略的な優位を確立するには至りませんでした。

サラゴサの戦いは、スペイン継承戦争の帰趨を左右する重要な戦いであり、その後のヨーロッパの勢力図に大きな影響を与えました。

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