サラリーマンどんと節 気楽な稼業と来たもんだ

映画『サラリーマンどんと節』の概要

『サラリーマンどんと節』は、1962年に公開された日本のコメディ映画で、監督は枝川弘が務め、出演には川崎敬三、ハナ肇、そしてクレージーキャッツが名を連ねています。この映画は、植木等の「スーダラ節」に続く作品の第2弾であり、原作脚本には青島幸男と高橋二三が携わっています。映画は、サラリーマンの日常をユーモラスに描き出しつつ、彼らの裏に潜む問題をも示すものとなっています。

ストーリーのあらすじ

物語は、信州信濃支社のサラリーマンたちの日常を描きます。この支社は、支社長をはじめ全くやる気が見られず、経費を使って料亭での宴会に興じるなど、あまりにも安易な仕事振りが顕著です。この場で唯一熱心に働いているのが、中卒の見習い社員・柏木陽介です。彼の父親もこの会社の用務員として働いており、親子で真面目に業務に励んでいます。

この信濃支社の業績の悪化を知った社長は、厳格な視点と改革を求めるために自身の息子を支社に異動させることを決定します。支社長を含む社員たちは、この新たな動きに驚き、さまざまな策を講じて御曹司の目に自らの怠慢がとまらないよう画策します。彼らが最も不安に思っているのは、陽介が自分たちの実態を社長の息子に話さないかという点でした。

そこで、支社長たちは陽介を懐柔しようと様々な手段を講じますが、陽介は色仕掛けや見合い話にも冷静に対処し、次第に彼らの計画を理解していきます。しかし、陽介は支社の無気力さや自身の恋愛がうまくいかないことに辟易し、勤めていることに嫌気がさし、会社を辞めたいと申し出ます。

そこで父親が登場し、息子の気持ちを察して、陽介の北海道支社への異動を頼みます。支社長は良いお払いと受け入れ、異動が決まります。新たな環境で再出発を図ろうとする陽介の意思を尊重する形となりました。

最後の展開

いよいよ社長の息子が信濃支社に到着し、帳簿を確認していくつかの問題を即座に見抜きます。その結果、支社長は謝罪しますが、社長の息子は「過去のことは水に流して、これから頑張ってほしい」と告げます。これにより、支社長も再生に向けた決意を固めます。

陽介は両親から見送られながら、列車に乗って北海道へ向かうことに。そこで、支店長の娘である孝子が席に訪れ、「ご一緒してもいいですか」と声を掛けてきます。このシーンは、陽介にとって新たな出発の象徴とも言えるでしょう。

スタッフとキャスト

この映画の制作には多くの才能が集結しており、撮影には秋野友宏が名を連ねています。また、美術や音楽、録音といった側面でも多くの職人が作品を彩りました。キャスト陣も個性的で、柏木陽介役の川崎敬三をはじめ、クレージーキャッツの面々がユーモアを加えました。

同時上映と映像ソフト

この映画は『仲よし音頭 日本一だよ』と同時上映されました。映像ソフトとしては、1992年にビデオソフトが発売され、その後2014年にはDVDとして再リリースされましたが、早くも廃盤となっています。

『サラリーマンどんと節』は、日本のコメディ映画の中でも、職場のリアルな問題を楽しい視点で描いた作品として、今なお多くの人々に親しまれています。

もう一度検索