サラ・ソリベス・トルモ

サラ・ソリベス・トルモは、1996年 10月8日にスペインのバレンシア州で生まれた女子プロテニス選手です。身長176cm、右利きで両手バックハンドを特徴としています。WTAツアーにおいて、シングルスで2回、ダブルスで5回の優勝経験を持ち、世界の舞台で実績を積み上げてきました。WTAランキングのキャリア最高位は、シングルスで32位、ダブルスで17位を記録しています。

経歴の始まりとITFツアーでの活躍

ソリベス・トルモは、キャリアの初期からITF女子サーキットで頭角を現しました。2012年3月には地元スペインで開催された大会でシングルス初優勝を飾り、同年にITFシングルスで合計4勝を挙げています。2014年にはベルギーのハードコート大会でITF優勝を果たし、それまでの自国開催・クレーコートでの成績に加え、国際大会やハードコートへの適応力も示しました。

WTAツアーへの挑戦とダブルスでの成功

2015年にブラジルで開催されたリオ・オープンでWTAツアーデビューを飾りました。その後もITFツアーでタイトルを積み重ねる一方で、WTAツアーへの挑戦を続け、2018年4月にはメキシコのモンテレイ・オープンで、ナオミ・ブローディと組んでWTAツアーダブルス初優勝を達成しました。これは彼女にとって記念すべきWTAツアー初タイトルとなりました。この成功により、同年7月にはダブルスランキングで自己最高の62位（当時）に上昇しました。

2019年もダブルスでの活躍は続き、同胞のマリア・ホセ・マルティネス・サンチェスとのペアでモロッコの大会で優勝。また、マヨルカ・オープンでも同じペアで準優勝を飾りました。この年の6月には、シングルスランキングでも自己最高の64位（当時）を記録し、シングルス・ダブルス両面での成長を見せました。

シングルスでの躍進とランキング上昇

2021年は、ソリベス・トルモにとってシングルスでの大きな飛躍の年となりました。WTA1000大会であるマイアミ・オープンでは、格上のシード選手を含む強敵を次々と破り、見事ベスト8に進出。続くナショナル・バンク・オープンでも再びベスト8の成績を収め、トップ選手の一員としての実力を示しました。

同年7月には東京オリンピックにスペイン代表として出場。女子シングルスでは、第1シードとして世界ランキング1位だったアシュリー・バーティを初戦で破る金星を挙げ、テニス界に大きなインパクトを与えました。女子ダブルスにも出場し、2回戦に進出しました。これらの活躍が評価され、2022年2月にはシングルスランキングでキャリア最高の32位に到達しました。

グランドスラムでの自己最高更新と復帰

グランドスラムの舞台でも着実に成績を伸ばしました。2022年の全豪オープン女子ダブルスでは、キルステン・フリプケンスと組んでノーシードながら準々決勝に進出。これは当時のグランドスラムダブルスでの自己最高成績でした。同年全米オープン女子ダブルスでも同じペアで出場し、前回全豪で敗れた第1シードペアを破るなど、再び準々決勝まで進出し、安定した強さを見せました。

2022年10月以降、約半年間の休養を余儀なくされましたが、怪我からの回復を経て2023年シーズンに復帰。ランキングを大きく落として迎えた全仏オープンでは、プロテクトランキングを利用して出場。厳しい状況ながらも勝ち進み、4回戦（ベスト16）まで到達しました。これは、自身にとってグランドスラムシングルスにおける最高の成績となりました。

近年の活躍とオリンピックでの栄光

2024年5月には、クリスティーナ・ブクサとのペアでムチュア・マドリード・オープンのダブルスを制し、WTA1000レベルのタイトルを獲得しました。そして同年夏、パリオリンピックに再び出場。シングルスでは初戦敗退となりましたが、クリスティーナ・ブクサと組んだ女子ダブルスでは、強豪ペアを下して準決勝に進出。惜しくも決勝進出は逃したものの、3位決定戦で勝利し、見事銅メダルを獲得しました。これはスペイン女子テニス界にとっても、彼女自身のキャリアにおいても歴史的な快挙となりました。ソリベス・トルモは、粘り強いプレースタイルと諦めない精神力で、世界のトップレベルで戦い続けています。

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