サリバン島の戦い

サリバン島の戦い

サリバン島の戦い（英: Battle of Sullivan's Island）は、アメリカ独立戦争の重要な一幕として、1776年6月28日にサウスカロライナ州チャールストン近くで発生しました。この戦闘は、イギリス軍が13植民地の都市を初めて占領しようとした試みであり、第一次チャールストン包囲戦と呼ばれることもあります。これは1780年に再度行われたイギリス軍の成功したチャールストン占領の前触れとなったものです。

イギリス軍の遠征

アメリカ独立戦争は1775年に勃発し、イギリス軍は1776年初頭に進軍を計画しました。彼らは南部植民地への遠征を決定しましたが、兵站の問題や悪天候により出発が遅れ、ノースカロライナに到着したのは同年の5月。指揮官ヘンリー・クリントン将軍と海軍のピーター・パーカー提督は、作戦に向いた状況ではないと考え、チャールストンへと方針を変更しました。

イギリス軍は6月初旬にチャールストン近くに着陸し、サリバン島の近くに位置するロング島に上陸しました。しかし、アメリカ側ではチャールストンの民兵が砦の建設を進めており、海上からの砲撃や陸からの攻撃に備えていました。

アメリカ側の防衛

アメリカ側では、ウィリアム・ムールトリー大佐が指揮する防衛軍が結成され、約2,000名の兵士が集結しました。サリバン島はチャールストン港の入口に位置し、ムールトリー大佐はこの土地が守るのに適していると判断しました。彼は砦の建設を開始し、急遽防御のための準備を進めました。この砦はスポンジのようなヤシの木材で構築されており、敵の砲撃を軽減する効果がありました。

戦闘の開始

6月28日の朝、イギリス艦隊はサリバン砦に対して攻撃を開始しました。艦隊は9隻のマン・オブ・ウォーで構成され、その総火力は非常に強力でした。しかし、ムールトリー大佐の指揮する守備隊も果敢に反撃し、イギリス艦船に大きな損害を与えることに成功しました。砦の構造は砲撃に耐えるよう設計されており、イギリス軍の砲弾は効果が薄かったとされています。

戦闘は激しさを増し、イギリス軍は砦への攻撃を続けましたが、午後までに火薬の不足が影響し、アメリカ側も砲撃を一時的に中断せざるを得ませんでした。しかし、リー将軍が新たな弾薬を送ったことで再び攻撃を再開し、イギリス艦船に対して効果的な反撃が続きました。

戦闘の結末

戦闘は夜まで続きましたが、イギリス軍は最終的に撤退を余儀なくされました。サリバン砦の守備隊は数少ない損失で済み、イギリス軍は重大な損害を被りました。この戦闘の結果、イギリス軍は数年間、チャールストンに戻ることはありませんでした。1780年に再度チャールストンが包囲されるまで、彼らはこの地を掌握することができなかったのです。

その後の影響

サリバン島での勝利を受けて、砦の名前はムールトリー砦に改名されました。その後、チャールストン市を守る重要な役割を果たすことになりますが、アメリカ南北戦争の前にその役割はサムター砦に移ります。戦闘の後、イギリス軍の指揮官たちは互いに責任を押し付け合うなど、事件の影響は今なお語り草となっているのです。この戦いは、アメリカ独立戦争の流れを大きく変え、国の将来に影響を与えることとなりました。

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