サリフ・ケイタ (サッカー選手)

サリフ・ケイタ：マリの英雄、その輝かしい足跡

サリフ・ケイタ（Salif Keïta）は、1946年12月12日にマリのバマコで生まれ、2023年9月2日に76歳で生涯を閉じた、マリを代表する元サッカー選手です。フォワードとして活躍し、特にASサンテティエンヌ時代には「バマコのガゼル」、「黒豹」の異名を取り、その名をヨーロッパ中に轟かせました。また、甥のセイドゥ・ケイタ、モハメド・シソッコもマリ代表として活躍し、ケイタ家はマリサッカー界に多大な貢献をしています。

選手としての輝かしいキャリア

16歳という若さでレアル・バマコに入団した1963年、ケイタは同時にマリ代表にも選出されるという、華々しいデビューを飾りました。アフリカクラブ選手権では8試合で14得点という驚異的な記録を打ち立て、その才能はすぐにヨーロッパのクラブの目に留まります。

1967年、フランスの強豪ASサンテティエンヌへ移籍。ここでケイタは、まさに伝説となる活躍を見せます。5シーズン在籍し、リーグ・アンで3度の優勝に貢献。1970-1971シーズンには38試合で42得点を記録し、得点王に輝きました。その活躍が認められ、1970年にはアフリカ年間最優秀選手賞を受賞。まさにアフリカを代表する選手としての地位を確立しました。

マリ代表としても、1972年のアフリカ選手権でチームを準優勝に導くなど、その実力を遺憾なく発揮。その後は、バレンシアCFやスポルティングCPといったヨーロッパのクラブでプレーし、現役生活の終盤はアメリカで過ごしました。

引退後もマリサッカー界へ貢献

現役引退後、ケイタは大学で学んだ経営学の知識を生かし、ホテルや不動産事業を展開する傍ら、古巣であるレアル・バマコの財政支援を行いました。1993年には、若手選手の育成を目的とした「サリフ・ケイタ・センター」を設立。1997年には、チームをマリ1部リーグに昇格させるなど、指導者としてもその手腕を発揮しました。

2005年から2009年までの間は、マリサッカー連盟の会長を務め、マリサッカーの発展に尽力。選手としてだけでなく、指導者、経営者としても、その才能を発揮し、マリサッカー界に多大な貢献をしました。

所属クラブ

1963-1965: ASレアル・バマコ
1965-1966: スタッド・マリアン
1966-1967: ASレアル・バマコ
1967-1972: ASサンテティエンヌ
1972-1973: オリンピック・マルセイユ
1974-1976: バレンシアCF
1976-1979: スポルティング・クルーベ・デ・ポルトゥガル
1979-1980: ニューイングランド・ティーメン

サリフ・ケイタは、その輝かしいキャリアと、引退後のマリサッカー界への貢献によって、マリの英雄として、そしてアフリカサッカーのレジェンドとして、永遠にその名を刻まれることでしょう。

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