サリーン

サリーン（Saleen）

サリーンは、アメリカのカリフォルニア州アーバインに本社を置く自動車メーカーであり、その名は主にフォード製車両のチューニングに由来します。特に、アメリカのモータースポーツシーンにおいてその技術力が高く評価され、様々な競技で実績を残しています。特に2010年に発表されたオリジナルスーパーカー「S7」は、同社にとって重要な存在となり、コンプリートカーメーカーとしての名声を広める契機となりました。

日本においては、2005年の東京モーターショーに出展し、同年11月からは日本総代理店であるブルーフレームがサリーン車両の輸入販売を行っていました。しかし、2009年にブルーフレームが倒産したことにより、現在は日本市場での正規輸入が事実上停止状態にあります。この間、アメリカンスポーツカーを専門に扱う販売店ネットワーク、ASDNに参加していたディーラーの9社がサリーンジャパンの加盟店であったことも注目に値します。

歴史

サリーンは1983年にレーシングドライバーのスティーブ・サリーンによって設立されました。設立の目的は、SCCA（全米スポーツカーレース協会）が開催するショールームストックカーのレースにエントリーするためで、初期にはサリーン・オートスポーツ名義で参戦していました。特に1985年のレース参加が初の試みでしたが、その後、同社が自身で製造したパーツを一般のレーサーに販売することで市場における存在感を高めていきました。これが会社の成長に非常に大きな影響をもたらすことになりました。

1980年代から1990年代にかけ、サリーンはマスタングやエスコート、フォーカスのチューニングコンプリートカーを販売し、確固たる地位を築いていました。特にフォードとの信頼関係が深く、往年のレーシングカーフォードGTの組み立てを任されるなど、その技術力は広く認識されています。

さらに、サリーンはボディとシャシーを自社で製造し、全く新しいスーパーカーS7を開発しました。このモデルはスポーツカーとしての性能を追求し、GT選手権や耐久選手権でも高いパフォーマンスを発揮して国際的に依然として認められています。

2017年には、中国の江蘇省如皋市と共同で江蘇賽麟汽車技術集団有限公司を設立し、中国市場向けの生産・販売を開始すると発表しました。しかし、2020年には新型コロナウイルスの影響で経営が悪化し、中国当局によって同社の施設が強制収用される事態に陥りました。

車種一覧

サリーンが展開する主な車種には以下があります：

• - S7
• - S1
• - S281（1996年 - 2009年）: 第5世代・第6世代マスタングを基にしたコンプリートカー
• - S302（2007年 - 2009年）: 第6世代マスタングを基にしたコンプリートカー
• - サリーン302マスタング（2010年 - ）: 第6世代・第7世代マスタングを基にしたコンプリートカー
• - サリーン570チャレンジャー: 第3世代チャレンジャーを基にしたコンプリートカー
• - サリーン620カマロ: 第5世代カマロを基にしたコンプリートカー
• - サリーンS331
• - サリーンSR
• - サリーンS351
• - サリーンFOURSIXTEEN

サリーンはその独自の技術とデザインによって、自動車業界において確固たる地位を築き上げています。

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