サルヴァドール

サルヴァドール - ブラジルの魅力的な港湾都市

サルヴァドール（Salvador）は、ブラジル北東部の大西洋岸に位置する港町で、同国バイーア州の州都です。また、よく「バイーア」と呼ばれることも多いこの都市は、「諸聖人の湾」に囲まれた半島に位置し、重要な輸出拠点でもあります。2016年時点での人口は約294万人で、サンパウロ、リオデジャネイロ、ブラジリアに次いで国内第4位の人口を誇ります。

概要

サルヴァドールの正式名称は「サン・サウヴァドール・ダ・バイーア・ジ（デ）・トードス・オス・サントス」で、「諸聖人の湾の、聖なる救世主」という意味があります。彼の地は1502年にヨーロッパ人によって発見され、1549年にポルトガル人入植者の到着と共に設立されました。その後、この街は急速に繁栄し、砂糖産業と奴隷貿易の中心地として栄えました。1552年にはブラジル初のカトリックの司教座が設置され、以降イスラム教を背景に持つ人々の文化や信仰が栄えていきました。

サルヴァドールは長い間、重要な港として発展し、1780年代には新世界でも最大の都市の一つとなったのです。しかし、1763年に首都がリオデジャネイロに移されると、サルヴァドールは徐々に斜陽の道を歩むこととなります。それでも1823年には独立を達成し、その後はブラジルの工業化の波に取り残されることとなりました。

文化と音楽

サルヴァドールの文化は非常に多様で、アフリカからの移民の影響を色濃く受けています。住民の多くはアフリカ系の子孫であり、ユニークな文化が形成されてきました。特に、アフリカの信仰や伝統芸能はこの地域に深く根付いており、人気のスポーツであるカポエイラやカーニバルの際に見られる音楽などがその一例です。サンバが生まれた場所でも知られ、多くの著名なブラジル音楽家もこの地出身です。

最近では、「アシェ」という新たな音楽スタイルも登場し、ダニエラ・メルクリやイヴェッチ・サンガロといったアーティストが活躍しています。サルヴァドールはまた、音楽の祭典やカーニバルが盛大に行われる場でもあり、地元の人々や観光客が参加して楽しんでいます。

歴史的な建築物

サルヴァドール市内には多くの歴史的建築物が存在します。特に「サルヴァドール大聖堂」や「サン・フランシスコ教会」と修道院、さらに「ノッソ・セニョール・ド・ボンフィン教会」などが有名です。これらの建物は、ポルトガルの影響を受けたルネサンス建築の代表的な作品として多くの観光客を引きつけています。

1985年にはUNESCOの世界遺産に登録され、その歴史的価値が認められています。

交通インフラ

サルヴァドールの交通手段として、鉄道やメトロ、バスネットワークが整備されています。1860年代には最古の鉄道が開通し、最近では2014年に完成したサルヴァドールメトロが加わり、より便利な移動が可能になりました。また、ディユタード・ルイス・エドワルド・マガリャエス国際空港が市街地から28km北東に位置し、国内外の多くの都市と結ばれています。

現在のサルヴァドール

今日のサルヴァドールは、歴史的な地域と美しいビーチが共存する観光地として、多くの人々に知られています。特にペロウリーニョ地区は、ブラジルの文化と歴史を感じられる名所として人気があります。アフリカ文化の影響が随所に見られ、そこから発展した料理や音楽などは、地域外にまで広がっています。

最後に、サルヴァドールは多様な民族の融合と、豊かな文化が息づく都市であることを再確認できます。美しいビーチ、歴史ある建造物、そして多彩な音楽に満ちたこの地は、訪れる人々にとって特別な体験となるでしょう。

もう一度検索