サロニカ休戦協定

サロニカ休戦協定について

サロニカ休戦協定（英：Armistice of Salonica）は、1918年9月29日にギリシャのテッサロニキで締結された重要な歴史的合意です。この協定は、第一次世界大戦におけるブルガリア王国と連合国の間で戦闘を停止させるためのもので、ブルガリアが9月24日に休戦を申し入れたことに端を発しています。

協定の締結と効果

この休戦協定の成立により、ブルガリアは中央同盟国の一員としての戦争行為を事実上終わらせることとなりました。同協定は9月30日の正午に発効し、ブルガリア軍の復員および武装解除が求められました。この協定の署名者には、連合国側からフランスの将軍ルイ・フランシェ・デスペレーが名を連ねる一方、ブルガリア側には政府から任命された代表者たち、すなわちイヴァン・ルコフ、アンドレイ・リャプチェフ、およびシミオン・ラデフが署名しました。

重要なのは、ドイツ皇帝ヴィルヘルム2世がブルガリア王フェルディナントに送ったメッセージに、この協定の重要性が明示されています。彼は、ドイツが抱える危機的な戦況を伝えており、この言及からも、ブルガリアの休戦がドイツにも影響を及ぼすものであったことが伺えます。

戦局と後続の動き

1918年9月29日、ドイツ陸軍最高司令部は、皇帝と首相に対し、ドイツが直面する戦況の絶望的な様子を報告しました。その後、オーストリア＝ハンガリー帝国も10月14日に休戦を申し出、さらにオスマン帝国が大宰相アフメト・イッゼト・パシャを通じて、連合国側に捕虜を送ったのは、戦局が一層厳しい状況にあることを物語っています。

条文の内容

この協定には具体的な条文が含まれており、ブルガリア全軍の速やかな復員が求められました。また、ブルガリアが占領していたセルビアとギリシャの地域からの全面撤退が必要とされ、軍事雇用の規模にも制限が課されました。さらに、1916年にブルガリアがギリシャ軍から奪った装備を返却することも義務づけられました。ドイツおよびオーストリア＝ハンガリー軍は、ブルガリアから4週間以内に撤退することとされました。ブルガリア自体、特にソフィアは占領されることはありませんでしたが、連合国は一時的にいくつかの戦略的要所を制圧し、軍隊を送ることが許可されました。

協定の第5条では、スコピエ子午線の西側に所在するブルガリア軍約15万人が人質として連合国に引き渡されることが決定されました。フランスはルーマニアへ、イギリスとギリシャは戦争が続いていた東トラキアへ部隊を派遣しました。

この休戦協定は、1919年11月に締結された最終講和条約、いわゆるヌイイ条約まで有効とされました。ブルガリアにとって、この協定は戦争の終息をもたらす一歩であり、その後の国際情勢にも大きな影響を与えました。

もう一度検索