サワギキョウ

サワギキョウ（沢桔梗）

サワギキョウ（学名：Lobelia sessilifolia）は、キキョウ科ミゾカクシ属に分類される多年草です。山野草として美しい姿を見せる一方で、全体にアルカロイドという有毒成分を含む有毒[[植物]]としても知られています。

特徴

サワギキョウの茎は直立し、高さは50cmから100cm程度に成長します。茎は枝分かれせず、葉は柄がなく、茎に互い違いに生えます。葉の形は披針形で、縁には細かい鋸歯があります。

花期は8月から9月頃で、茎の上部に濃紫色の花を総状につけます。花は唇形で、深く5つに裂けています。上唇は2つに分かれ鳥の翼のような形をしており、下唇は3つに裂けています。萼は鐘状で先端が5つに裂けています。サワギキョウはキキョウと同様に雄性先熟であり、雄しべが花粉を出す雄花期と、その後雌しべの柱頭が現れる雌花期があります。

分布と生育環境

サワギキョウは、北海道から九州にかけて分布しており、山地の湿った草地や湿原などに自生します。多くの場合、群生しているのが見られます。

近縁種

サワギキョウは、他のキキョウ類とは花形が大きく異なります。ミゾカクシ属は世界に約200種ありますが、日本では4種のみが確認されています。小笠原諸島には低木状になるオオハマギキョウがありますが、日本本土では以下の種が一般的です。

ミゾカクシ（Lobelia chinensis）：水田雑草としてよく見られる背の低い草です。近縁種が琉球列島に分布しています。
ロベリア（Lobelia erinus）

毒草

サワギキョウは毒草として知られており、麻酔などの薬効があるとして利用された例もありますが、危険性が高いとされています。横溝正史の推理小説『悪魔の手毬唄』では、「お庄屋殺し」という名で毒殺に使用される場面が登場します（映像作品ではトリカブトに変更されている場合があります）。

その他

サワギキョウはその美しい姿とは裏腹に、毒を持つ植物です。野山で見かけた際には、むやみに触れたり口にしたりしないよう注意が必要です。

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