サンガ (出版社)

株式会社サンガについて

株式会社サンガは、仙台市に本社を置く出版社で、主に仏教関連の書籍やマインドフルネス、自己啓発書の出版を行いました。この企業は、特にスリランカの上座仏教の長老、アルボムッレ・スマナサーラによる著作を数多く刊行し、仏教の普及に寄与してきました。また、政治や経済に関する書籍も少数ながら刊行しています。

沿革

1998年、元冷菓製造会社「しまかげ」の3代目社長、島影透によって設立されました。設立当初は、島影の父親である利八が書いた仏教書の出版を目指していましたが、その後、アルボムッレ・スマナサーラに師事し、上座部仏教関連の書籍の刊行にも力を入れるようになりました。

2010年には仏教の季刊誌「Samgha Japan（サンガジャパン）」の創刊を実現し、これは「仏教と現代社会を考える雑誌」として認知されました。しかし、2020年7月21日に創業社長の島影透が亡くなると、会社の経営は難航し、2021年1月27日に営業を停止し、破産手続きを申請することになりました。同日は仙台地方裁判所から破産手続き開始の決定も受け、最終的には2021年7月に元従業員たちにより「サンガ新社」が設立されました。

主な刊行物

株式会社サンガが手がけた主な出版物には、以下のようなものがあります:

• - サンガ新書:

- アルボムッレ・スマナサーラ著『怒らないこと』（2006年）: 27万部以上の売上
- 鈴木俊隆著、松永太郎訳の『禅マインド ビギナーズ・マインド』（2012年）
- 橋爪大三郎・大澤真幸著の『ゆかいな仏教』（2013年）
- プラユキ・ナラテボー・篠浦伸禎著『脳と瞑想』（2016年）

• - 単行本:

- 板垣英憲著の『孫の二乗の法則―ソフトバンク孫正義の成功哲学』（2007年）
- 谷川俊太郎・加藤俊朗著『呼吸の本』（2010年）
- 加藤有希子著『カラーセラピーと高度消費社会の信仰〜ニューエイジ、スピリチュアル、自己啓発とは何か?〜』（2015年）

• - 定期刊行物:

- 季刊誌『サンガジャパン』は36冊にわたり、様々な特集が組まれ、その内容は仏教の哲学や実践、歴史に関するものです。たとえば、特集「瞑想とは何か」や「倫理—理性と信仰」など、多岐にわたるテーマが扱われました。

また、年刊の『別冊サンガジャパン』も出版され、仏教瞑想のガイドブックやマインドフルネスに関する特集など、読者にとって興味深いコンテンツを提供し続けました。

事業所

本社は宮城県仙台市若林区新弓ノ町にあり、東京オフィスは東京都千代田区神田小川町に存在していました。かつて冷菓製造を行っていた「しまかげ」と同一の地で、地域とのつながりを大切にしていた企業でもありました。サンガは、仏教の普及とともに地域文化にも貢献してきたと言えるでしょう。

このように、株式会社サンガは歴史深い文化を根底に、読者に対して多様な知識と価値を届けてきましたが、運営の厳しさや社長の死去を受けて、その経営は新たな形に移行し、人々の心に残る存在として今なお発展を続けています。

もう一度検索