サンクス東海

サンクス東海株式会社は、かつて愛知県豊橋市に本社を構え、コンビニエンスストア「サンクス」のエリアフランチャイズ事業を展開していた企業です。主に愛知県の三河地方および静岡県の遠州地方を活動範囲としていましたが、後にエリア外への出店も行いました。

この企業の設立には、文政年間創業という長い歴史を持つ豊橋市の酒類卸業、「株式会社川清商店」が深く関わっています。川清商店は、当時の株式会社サンクスとエリア・フランチャイズ契約を結ぶことを目的として、自社の関連会社であるサンクス東海株式会社を1989年8月1日に設立しました。これにより、サンクス東海はサンクスのエリアフランチャイズ企業として、担当地域内の店舗経営、管理、運営指導を担うことになります。

事業開始後、同社は順調に店舗網を拡大しました。1989年11月3日には豊橋市に第1号店となる「もぐら沢店」を開店。その後、1991年には浜松地区、1992年には岡崎地区にも進出し、それぞれの地域におけるサンクス店舗の核となりました。事業の拡大に伴い、運営体制も強化され、1993年には浜松市に浜松事務所、2005年12月には岡崎市に岡崎事務所を開設しています。さらに、2011年10月には初の愛知・静岡エリア外となる三重県津市にも出店するなど、積極的な事業展開を見せ、2014年4月末時点では122店舗を運営していました。

特筆すべき点として、当時のサークルKサンクスグループにおいて、エリアフランチャイズ企業の多くがサークルKサンクス本体への吸収合併や他社への鞍替えを進める中で、サンクス東海は地元資本によるエリアフランチャイザーとして、2016年7月時点まで唯一その形態を維持していました。これは、地域の有力企業との連携を基盤とした、同社の事業モデルの一つの特徴と言えます。

しかしながら、コンビニエンスストア業界の再編が進む中で、サンクス東海も事業形態の見直しを迫られます。2016年8月1日、同社は展開していたコンビニエンスストア事業（当時108店舗）を、吸収分割という形式を用いて株式会社サークルKサンクスへ譲渡しました。これにより、サンクス東海株式会社によるコンビニエンスストアのエリアフランチャイズ事業はその歴史に幕を閉じました。

かつて、同社は本社を愛知県豊橋市に置き、事業運営の拠点として浜松市（現：中央区）と岡崎市にも事務所を設けていましたが、事業譲渡に伴い、これらの拠点もその役割を終えました。

以下に、同社の主な沿革をまとめます。

1989年8月1日：サンクス東海株式会社設立。
1989年9月6日：株式会社サンクスとエリアフランチャイズ契約を締結。
1989年11月3日：豊橋市に1号店「もぐら沢店」を開店。
1991年：浜松地区1号店「本沢合店」を開店。
1992年：岡崎地区1号店「岡崎伊賀店」を開店。
1993年：浜松市に浜松事務所を開設。
2005年12月：岡崎市に岡崎事務所を開設。
2011年10月：初のエリア外出店として三重県津市に店舗を開店。
* 2016年8月1日：コンビニエンスストア事業（108店舗）を株式会社サークルKサンクスへ譲渡。

サンクス東海株式会社は、愛知・静岡両県におけるサンクスチェーンの一角を担い、地域に根ざした事業を展開した企業として、その歴史に名を残しています。なお、関連する企業として、現存するコンビニエンスストアチェーンであるファミリーマートが挙げられます。

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