サンクス西四国

サンクス西四国株式会社は、かつて日本のコンビニエンスストアチェーン「サンクス」のエリアフランチャイズ本部として活動していた企業です。主に愛媛県と高知県を管轄し、同ブランド店舗の経営や運営に関する指導を担っていました。本社は愛媛県松山市に置かれていましたが、最終的には親会社であったファミリーマート（当時の名称はサークルKサンクス）の完全子会社となりました。

企業のルーツは1992年8月3日に設立された「サンクス愛媛」に遡ります。これは、松山市のアイスクリーム卸売業者である南商事の子会社「メインステイカンパニー」と、当時のサンクスアンドアソシエイツが共同で出資して誕生しました。設立から間もない同年8月27日には、両者間でエリアフランチャイズ契約が正式に結ばれました。そして翌1993年4月9日、松山市内に最初の店舗となるサンクス北斎院店が開店し、西四国エリアにおけるサンクス展開が本格的に開始されました。

事業が展開される中で経営体制にも変化が見られました。初期の設立母体であった南商事がコンビニ事業から撤退したため、1936年創業の酒類食品卸売業者の酒館株式会社がエリアフランチャイズ契約権を引き継ぎました。この経営権の移管後、1994年11月29日には社名を「サンクス西四国」へと改称しました。その後、事業エリアを高知県にも拡大し、1997年11月には高知市内に高知札場店と高知万々店を同時にオープンさせるなど、店舗網を広げていきました。しかし、2001年8月29日には、当時の主要株主であった酒館株式会社を中心とするグループ4社が民事再生法の適用を申請する事態となり、酒館が保有していた株式は個人に譲渡されることとなりました。

経営の安定化とグループ戦略の一環として、2006年3月31日、親会社であったサークルKサンクスが、当時の代表取締役社長であった山本順子氏が保有していた全ての株式を取得し、サンクス西四国はサークルKサンクスの完全子会社となりました。これにより、親会社との連携が一層緊密になります。

その後、サークルKサンクスはグループ全体のブランド戦略を見直し、四国エリアにおけるブランド統一を進めます。2014年12月に同じ四国エリアでサークルKを展開していたサークルケイ四国がサークルKサンクスの完全子会社となったことを受け、サンクス西四国の管轄する店舗についてもブランド転換が図られることになりました。2015年3月から、管内のサンクス店舗は「サークルK」ブランドへと順次変更されていきました。このブランド統一は同年8月末までに完了し、最後までサンクスブランドで営業していた愛媛県西予市の宇和れんげ店が8月に閉店したことで、サンクス西四国におけるサンクス店舗はその姿を消しました。ブランド統合の直前、サンクス西四国は愛媛県に54店、高知県に36店、合計80店のサンクス店舗の運営に関わっていました。

親会社であるサークルKサンクスがファミリーマートと経営統合し、株式会社ファミリーマートが誕生した後、2016年11月に新たな動きがありました。ファミリーマートは四国地方でのコンビニエンスストア事業を強化し、ファミリーマートブランドへの転換を促進するため、サンクス西四国の事業を自社で引き継ぎ運営することが最適であると判断しました。この決定に基づき、同社の事業は吸収分割の手法を用いて、翌2017年3月1日をもってファミリーマート本体に統合されることが公表されました。計画通りこの日をもって、サンクス西四国は事業活動を終え、清算手続きに入る会社となりました。そして、2017年7月25日に清算手続きが完了し、企業としての存在を終えました。

かつて、高知県高知市札場には、地域における活動拠点として高知オフィスが置かれていました。また、同じく四国地方でコンビニ事業を展開していた関連企業としては、サンクス西四国と同様にサークルKサンクスの完全子会社となり、愛媛・高知でサークルK店舗を運営していたサークルケイ四国が存在しました。サークルケイ四国も将来的にサンクス西四国を吸収合併する構想があったものの、これは実現に至らず、サンクス西四国と同様に2017年3月1日をもってファミリーマートに吸収統合されています。このほか、香川県と徳島県でサンクスを展開していた旧サンクスアンドアソシエイツ東四国であるアイル・パートナーズも関連企業として挙げられます。

もう一度検索