サンシティ (不動産販売会社)

株式会社サンシティは、かつて東北地方から北陸甲信越にかけて、主にマンションの販売代理や分譲事業を手がけていた不動産会社です。

設立当初は株式会社サンシティ住宅販売として発足し、その後株式会社サンシティへと商号を変更しました。上場を経て、事業ブランド名を「サンシティ」から「アヴァンツァーレ」や「サンデュエル」といった名称に変更して展開を進めました。

事業戦略とその発展

同社は「都市の景観を変える」というビジョンを掲げ、まだ大手デベロッパーの進出が進んでいない地域に積極的にマンションを供給する戦略をとりました。特に東北地方の未開拓都市への進出に注力し、さらに事業規模の拡大を目指して関東方面への「南下策」を推進、東京や北関東市場への参入を果たしました。これにより、新たな顧客層の開拓に努めました。

また、マンション事業に加え、オフィスビルや複合商業施設、賃貸マンションなど、様々な種類の不動産開発にも着手し、これらを証券化する流動化物件の開発にも力を入れました。こうした事業の多角化により、東日本を代表する総合不動産デベロッパーへと成長を遂げました。

実績としては、2005年には東北地区における分譲マンション供給戸数で2年連続のトップを獲得するなど、その事業展開は一定の成功を収めていました。

経営の悪化と破綻

順調に見えた同社の経営ですが、2008年に発生した世界的な金融危機であるリーマン・ショックの影響は避けられませんでした。不動産市場の低迷や資金調達環境の悪化により、業績は急速に悪化します。

2010年12月期には、3期連続となる最終赤字を計上するなど、財務状況は深刻化。これに伴う資金繰りの悪化は改善が見られず、自力での経営再建を断念せざるを得ない状況に追い込まれました。

そして、2011年9月26日、サンシティは仙台地方裁判所に対し、民事再生法の適用を申請しました。この時点での負債総額は約248億8800万円とされています。この申請により、同年10月27日には東京証券取引所での上場が廃止され、経営破綻に至りました。

その後の経緯

民事再生手続きの過程で、サンシティの事業は、2012年3月に株式会社ワールドインテックとその子会社に譲渡されることとなりました。仙台本社の事業は、ワールドインテックの子会社である株式会社ワールドアイシティが引き継ぎました。同年5月には再生計画の認可決定を受け、サンシティ本体は清算手続きへと移行しました。

沿革の概要

1992年2月：株式会社サンシティ住宅販売として設立。
2001年10月：商号を株式会社サンシティに変更。
2002年12月：JASDAQ市場に上場。
2004年9月：東京証券取引所市場第二部に上場。
2006年6月：東京証券取引所市場第一部に指定替え。
2008年5月：本社機能を仙台市から東京都千代田区に移転。
2009年4月：登記上の本店を東京都中央区へ移転し、本社を仙台市とする体制に変更。子会社である株式会社地建は株式会社サンシティネクストに商号変更。
2011年1月：子会社である株式会社サンシティビルドを吸収合併。
2011年9月26日：仙台地方裁判所に民事再生法を申請。
2011年10月27日：上場廃止。
2012年3月：事業譲渡契約締結。
2012年5月：再生計画認可決定。

その他

東北楽天ゴールデンイーグルスの球団創設当初からのスポンサー企業の一つとしても知られ、当時の本拠地であったクリネックススタジアム宮城（現：楽天モバイルパーク宮城）において、ベンチ上や電光掲示板に広告を掲出していました。

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