サンストリート亀戸

サンストリート亀戸：セイコー工場跡地から生まれたショッピングセンターとその終焉、そして新たな街の姿

かつて東京都江東区亀戸に存在したショッピングセンター「サンストリート亀戸」は、1997年の開業から2016年の閉鎖まで、地域住民に親しまれた存在でした。愛称は「サンスト」、別名「ランブリングマーケット」と呼ばれ、その賑やかな雰囲気は多くの思い出を刻みました。本稿では、サンストリート亀戸の歴史、盛況を極めた時期、閉鎖に至った背景、そして跡地の再開発によって生まれた新たな街並みを詳細に解説します。

セイコーと亀戸：歴史の始まり

サンストリート亀戸の歴史を語る上で欠かせないのは、その立地です。1937年、服部時計店が設立した第二精工舎（後のセイコーインスツルメンツ）の本社・亀戸工場がこの地にありました。この工場は、長年に渡り地域経済に貢献し、亀戸の街と深く結びついていました。

再開発計画とサンストリート亀戸の誕生

1986年の東京都長期計画で、錦糸町・亀戸地区が副都心の一つに指定されると、セイコー電子工業は工場跡地の有効活用を検討開始。当初は36階建てのツインタワービル案も構想されましたが、経済情勢の変化から計画は変更されました。そして、1997年、約50億円を投じて「サンストリート亀戸」が開業しました。2層の店舗棟と5層の駐車場棟からなるこのショッピングセンターは、地域に新たな活気をもたらしました。

多彩なイベントと賑わい

サンストリート亀戸は、単なるショッピングセンターではありませんでした。マーケット広場に設置されたステージでは、アイドルイベント、お笑いショー、大道芸など、年間を通して様々なイベントが開催され、多くの来場者を集めました。Perfume、Buzy、奥華子、Negicco、橋本環奈など、数多くの著名アーティストやタレントが出演し、週末には多くの人で賑わいました。

特に奥華子さんは30回以上のライブ公演を行い、サンストリート亀戸と深い繋がりがありました。また、プロレスリングイベントも開催され、子供から大人まで幅広い年齢層が楽しめる空間となっていました。

閉鎖と跡地の再開発

当初は2012年の閉鎖が予定されていましたが、4年間延長され、2016年3月31日に営業を終了しました。その後、跡地は約2.3ヘクタールもの広大な土地となり、2017年末に野村不動産が取得。再開発計画がスタートしました。

新たな街並みの誕生：プラウドタワー亀戸クロスとカメイドクロック

再開発によって誕生したのが、地上25階・地下2階建ての免震ツインタワーマンション「プラウドタワー亀戸クロス」（全934戸）と地上6階地下1階の大型商業施設「カメイドクロック」です。これらの施設は、新たな住環境と商業空間を提供し、亀戸の街に更なる活気をもたらしています。

サンストリート亀戸の遺産

サンストリート亀戸は、15年間という短い期間ではありましたが、地域住民にとってかけがえのない存在でした。多くの思い出と共に幕を閉じましたが、その跡地には新たな街並みが生まれ、歴史は刻み込まれています。サンストリート亀戸が築き上げた賑わい、そしてその跡地に生まれた新たな街並みは、亀戸の街の歴史を語る上で重要な要素となっています。その歴史と発展をこれからも見守っていきたいものです。

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