サントリーホワイト

サントリーウイスキー ホワイト：国産ウイスキーの歴史を刻むロングセラー

サントリーウイスキー ホワイトは、サントリーが1929年に発売したブレンデッドウイスキーです。「シロ」の愛称で親しまれ、国産ウイスキー第1号としてその名を知られています。2024年には発売95周年を迎え、日本のウイスキー史に重要な足跡を残しています。

誕生秘話：国産ウイスキーへの挑戦

サントリー創業者の鳥井信治郎は、赤玉ポートワインの成功に続き、国産ウイスキー製造という新たな挑戦に乗り出しました。スコットランドから招聘した竹鶴政孝氏の指導の下、1923年からウイスキー製造を開始。しかし、最初の製品「サントリー白札」はピート臭が強く、市場の反応は芳しくありませんでした。その後発売された「サントリー赤札」も失敗に終わります。

試行錯誤と改良：定番への道

最初の失敗を糧に、鳥井信治郎と竹鶴政孝は改良を重ねました。ピートの焚き方、蒸留方法、ブレンドなど、試行錯誤を繰り返しながら、1932年には「サントリー十年ウヰスキー 角瓶」、1935年には「サントリー特角」などを発売し、徐々に評価を得ていきます。そして1937年、満を持して発売された「サントリーウイスキー12年」（現・サントリー角瓶）が、国産ウイスキー事業の成功を確実なものにしました。

当初はピート臭が強かったサントリーホワイトも、山崎蒸溜所の原酒の熟成が進み、改良が重ねられました。シャープでキリッとした味わいを基本とし、1962年には「サントリーホワイト」と改名。その後も「角瓶」や「オールド」、「トリス」と並ぶサントリーの定番製品として、現在まで愛され続けています。

多彩なラインナップと変遷

サントリーホワイトは、長年に渡り640mlの茶色瓶で発売されていますが、過去には「ホワイトエクストラ」（緑色の瓶、モダンなラベル）や、「新ホワイト」（グリーンボトル720ml）、「サントリーホワイト スーパークリーン」（クリアボトル、アルコール分37%）など、様々なバリエーションが存在しました。2024年2月にはリニューアルを行い、ラベルデザインが変更されました。

記憶に残るCM：ジャズとスター俳優

サントリーホワイトのCMには、多くの著名なアーティストが出演しました。1970年代のサミー・デイヴィスJr.を筆頭に、日野皓正、ロン・カーター、ハービー・ハンコック、山下達郎、14カラットソウル、伊東たけしなど、ジャズミュージシャンを起用したCMは、ブランドイメージの確立に大きく貢献しました。また、1982年には菅原文太さんが出演し、話題を呼びました。

文化と歴史を繋ぐ

サントリーホワイトは、単なるウイスキーではなく、日本のウイスキーの歴史、そしてジャズ音楽、広告史など、様々な文化と深く関わっています。95周年を迎えた今もなお、その存在感は大きく、これからも日本のウイスキーシーンを牽引していくことでしょう。

その他

1995年にはアルコール分を25%に抑えた「サントリーホワイト25」が発売されました。2014年放送のNHK連続テレビ小説『マッサン』では、サントリー白札をモデルにしたウイスキーが登場し、話題となりました。また、イアン・フレミングの小説『007は二度死ぬ』にも登場するなど、世界的な認知度も高いと言えます。

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