サンファーマ

サンファーマは、インド西部の商都ムンバイに本社を構える、インド有数の大手製薬企業です。

同社は1983年に操業を開始しました。当初はわずか5製品を扱う小規模な事業でしたが、積極的な企業買収戦略を展開することで規模を拡大し、グローバル企業へと成長を遂げました。現在では、世界各国で事業を展開する国際的な製薬会社として広く認知されています。

サンファーマの事業の中核を成すのは、ジェネリック医薬品およびノーブランド医薬品の製造・販売です。これらに加え、精神・神経領域、循環器領域、糖尿病領域、消化器領域、呼吸器領域、さらには形成外科領域など、幅広い疾患分野の医薬品を手掛けています。製品は、アメリカ、ヨーロッパ、アジアをはじめとする世界40カ国以上に輸出されており、2014年時点では、グローバルで26の製造拠点と4つの研究開発センターを擁していました。

サンファーマの歴史における特筆すべき出来事として、2014年に日本の第一三共の子会社であった同業他社、ランバクシー・ラボラトリーズの買収が挙げられます。株式交換方式で買収されたランバクシーは、同年中にサンファーマに吸収合併されました。この大型買収は、サンファーマをジェネリック医薬品分野で世界第5位の地位に押し上げる契機となりました。

日本市場への本格参入は、2012年3月に日本法人であるサンファーマ株式会社を設立したことに始まります。同社は、日本のジェネリック医薬品市場において事業活動を展開しています。その後も日本でのプレゼンスを強化するため、M&Aや提携を進めています。

2016年11月には、ノバルティス社の長期収載品14製品の製造販売承認を譲り受けることを発表し、これらの製品はサンファーマに移管されました。移管後の製品については、田辺三菱製薬との間で販売に関する提携が結ばれています。

さらに、2019年1月には、株式会社ポーラ・オルビスホールディングスから、その傘下にあった医薬品メーカー、株式会社ポーラファルマおよびその子会社である株式会社科薬（現在の新新科薬株式会社）の全株式を取得しました。この事業承継は、サンファーマの日本における基盤強化に大きく貢献しました。翌2020年1月には、サンファーマ株式会社が株式会社ポーラファルマを吸収合併し、ポーラファルマが保有していた全ての医薬品製造販売承認を承継しています。

日本国内での製造体制を確立するため、2021年6月には製造子会社としてサンファーマ製造株式会社が設立されました。同年9月には、株式会社科薬（現:新新科薬株式会社）から埼玉県にある工場の事業を継承し、国内での医薬品製造を開始しています。

現在、日本国内では、乾癬治療薬のイルミア、尋常性ざ瘡治療薬のデュアック配合ゲル、爪白癬治療薬のルコナック爪外用液、抗アレルギー薬のザジテン（点眼薬を除く）、てんかん治療薬等のテグレトールなど、多岐にわたる製品を提供しています。

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