サンポート

サンポートは、香川県高松市中心部、特に高松港頭地区に位置する新しい町名です。2003年（平成15年）4月1日に住居表示の実施に伴い、既存の町域であった浜ノ町の一部から分割されて誕生しました。郵便番号は760-0019です。この地域は、高松市が推進した大規模な再開発プロジェクト「サンポート高松」の中心地であり、かつての港湾施設や鉄道用地が、埋め立てと区画整理を経て近代的で機能的な都市空間へと生まれ変わりました。

地理と都市機能

サンポートは、高松市の都心部から北へ約1.2kmの距離にあり、その北側と東側は広大な瀬戸内海に面しています。南側は市道高松駅北線、西側は市道浜ノ町錦町線によって明確に区画されています。この地域は、古くから高松港の中心地として、本州や瀬戸内海の島々を結ぶ多数の定期航路が集まる要衝であり、四国の鉄道の起点である高松駅の目の前に位置することから、「四国の玄関口」として極めて重要な役割を担ってきました。再開発によって整備された町並みには、その役割を象徴する高層ビル群が建ち並んでいます。

施設集積と土地利用

サンポートには、四国地方で最も高い建築物である高松シンボルタワーをはじめ、四国地方を管轄する多くの国の機関が入居する高松サンポート合同庁舎など、広域圏の中核となる行政・業務機能が集積しています。これらの主要施設のほか、高松港旅客ターミナルビル、香川県立アリーナ、多目的広場、各種プロムナードなども整備されています。

町域の大部分は、もともと海面を埋め立てて造られた土地であり、再開発以前は多数の船舶が出入りする港内や、連絡船の桟橋、高松駅の貨物ヤードとして利用されていました。現在の土地利用計画では、特定の市道で囲まれた区域が商業地域に指定されており、特に容積率800%という市内唯一、四国内でも最高水準の指定値を持つ区域が存在します。海沿いの区域は準工業地域となっており、港湾機能と都市機能が共存する特性を持っています。

人口と社会環境

サンポートは、主に業務機能が集まる地区であるため、2015年の国勢調査によると定住人口は0人です。業務中心の町であり、夜間人口は皆無と言えます。面積は約19万平方メートルに及びます。公立の小中学校の校区としては、全域が高松市立新番丁小学校および高松市立紫雲中学校の範囲に含まれています。

歴史と町名の由来

町名「サンポート」は、2001年（平成13年）10月の市民公募によって選定されました。既に「サンポート高松」という開発プロジェクト名が広く市民に知られ、定着していたことが選定理由の一つとされています。これにより、高松市で初めてすべてカタカナで構成される町名が誕生しました。それまで高松市内に存在したカタカナを含む町名としては、「東ハゼ町」や「西ハゼ町」などがありましたが、完全にカタカナのみで構成されるのはサンポートが最初です。

住居表示の基点

サンポート地区にある高松港旅客ターミナルビル（住所：サンポート1番1号）は、高松市内における住居番号の起算点として重要な役割を担っています。市内の住居表示制度が適用されている区域では、このターミナルビルに最も近い街区の端が住居番号の1号と定められ、そこから時計回りに番号が付されていきます。これは、高松市の住居表示の整備が1964年（昭和39年）に旧高松駅の埠頭を基点として始まった歴史を引き継いだものです。再開発により旧駅舎は解体されましたが、ターミナルビルがその場所に建てられたことで、基点の位置が引き継がれた形となっています。

主な施設

サンポート地区には以下の主要な施設や場所が立地しています。

高松港旅客ターミナルビル
高松シンボルタワー
高松サンポート合同庁舎
多目的広場
香川県立アリーナ
第一浮桟橋（小豆島、直島、大島、女木島、男木島方面への航路）
第二浮桟橋（豊島、直島方面への高速艇航路）
五千トン級岸壁（小豆島、直島方面フェリー乗り場）
三千トン級岸壁（小豆島、直島方面フェリー乗り場）
高松コリドー
ハーバープロムナード
サンポートガーデンプロムナード
五万トン級岸壁（クルーズ船、海上自衛隊護衛艦、海上保安庁船専用）
噴水広場
高松港レストハウス（ミケイラ）
せとシーパレット
* 高松港玉藻防波堤灯台（愛称：せとしるべ）

サンポートは、高松市の近代的な顔として、都市機能と港湾機能が見事に融合した、活気に満ちたウォーターフロント地区として、多くの市民や観光客に利用されています。

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