サンマルコ食品

サンマルコ食品株式会社は、北海道札幌市厚別区に本社を構える冷凍食品の製造販売会社です。主にコロッケ、春巻き、グラタンといった冷凍食品を手掛けており、特にコロッケの分野では全国でも有数の生産・販売規模を誇ります。また、「男爵コロッケ305」や「揚之屋藤幸」といった直営店舗の運営も行っています。

なお、一般に広く知られる『カレーハウス サンマルコ』を展開する曲田商店とは、名称が似ていますが関連はありません。

会社の成り立ちと歴史

サンマルコ食品は、1979年（昭和54年）に藤井幸男氏によって設立・創業されました。藤井氏の家系は古くから食に携わっており、父の藤井作次郎氏は明治時代に旭川市で豆菓子の製造販売を手掛け、陸軍第七師団への納入実績もありました。

幸男氏は父の事業を引き継ぎ、札幌で「北誉豆製菓」を経営していましたが、1970年代に事業を終えました。その後、知人の事業を引き継ぐ形で、冷凍食品事業へと転換し、サンマルコ食品を創業するに至ります。創業当初はサンマルコ食品販売株式会社としてスタートしました。

創業後は事業を拡大し、1992年（平成4年）には恵庭市に、1997年（平成9年）には十勝郡浦幌町に新たな工場を建設。生産能力を増強しました。1998年（平成10年）10月1日には、現在の社名であるサンマルコ食品株式会社に変更しています。

2000年（平成12年）3月には東京支店を開設し、北海道外への本格的な進出を果たしました。経営体制においては、2002年（平成14年）6月に創業者の藤井幸男氏が会長となり、実子である藤井幸一氏が代表取締役社長に就任しました。企業規模の拡大は続き、2006年（平成18年）3月24日には、エバラ食品工業株式会社の完全子会社であった株式会社日本冷食の全株式を取得し、完全子会社化。さらに2008年（平成20年）4月1日には、この日本冷食と合併し、さらなる事業基盤の強化を図りました。2006年時点での年商は約56億円に達し、コロッケ事業における国内トップクラスの地位を確固たるものとしました。

事業内容と製品

サンマルコ食品の主力製品は、冷凍のコロッケ、春巻き、グラタンです。特にコロッケについては、羊蹄山の麓で採れる男爵イモを使用した「男爵コロッケ」がヒット商品となり、会社の成長を牽引しました。高品質な北海道産の食材を活かした製品開発に力を入れています。

冷凍食品の製造販売に加え、直営店によるできたてのコロッケや揚げ物を提供する事業も展開しており、「男爵コロッケ305」や「揚之屋藤幸」といった店舗を運営しています。

事業拠点

国内各地に営業拠点を展開しており、東京支店（東京都文京区）を始め、東北営業所（仙台市若林区）、関西支店（大阪市中央区）、名古屋営業所（名古屋市港区）、九州営業所（佐賀県鳥栖市）があります。製造拠点としては、本社のある札幌工場（札幌市厚別区）に加え、恵庭工場（北海道恵庭市）、浦幌工場（北海道十勝郡浦幌町）、津別工場（北海道網走郡津別町）の北海道内4ヶ所に工場を保有しています。

関連会社と経営を担う人々

関連会社として、有限会社ホクレイ、有限会社フジフーズがあります。

現在の代表取締役社長である藤井幸一氏は、1950年7月生まれ。法政大学社会学部社会学科を卒業後、1974年4月に北海道ガス株式会社に入社しました。1993年5月にサンマルコ食品に入社し、2002年6月より代表取締役社長を務めています。また、藤井社長は合気道の世界でも高名であり、段位は七段。全日本合気道連盟理事や北海道合気道連盟会長、札幌合気道会第四代目会長、北海道大学合気会合気道部師範といった要職を歴任しています。

また、藤井幸一氏の長男である藤井幸大氏は、一般社団法人日本コロッケ協会の会長を務めており、コロッケ文化の普及・振興にも貢献しています。

広報活動

サンマルコ食品は、テレビCMやラジオCMを通じて製品の認知度向上に努めています。特にテレビCMでは、特徴的なCM曲「サンマルコ体操」が知られています。テレビ北海道で放送される『旅コミ北海道じゃらんdeGO!』や、水曜日昼の『JNNニュース』ローカル枠などでCMが放送されています。ラジオではスポットCMを中心に展開しています。

サンマルコ食品は、創業者の歴史を受け継ぎ、冷凍食品、特にコロッケ事業を通じて日本の食卓に貢献している企業です。

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