サン・パオロ門

サン・パオロ門：古代ローマの歴史を今に伝える城門

サン・パオロ門（イタリア語: Porta San Paolo）は、イタリアの首都ローマに現存する古代ローマ時代の城門であり、アウレリアヌス城壁の一部を構成しています。この門は、かつてはオスティエンセ門（ラテン語: Porta Ostiensis）と呼ばれ、ローマからオスティアへと続くオスティア街道の起点でした。

歴史的変遷

サン・パオロ門は、その名の通り、ローマ市内からサン・パオロ・フオーリ・レ・ムーラ大聖堂へ向かう主要な経路に位置しています。少なくとも6世紀頃には、この門はサン・パオロ門として知られるようになりました。アウレリアヌス帝（在位270年 - 275年）によって建設された当初は、市外側と市内側の両方に2つずつのアーチ開口部を持つ二重門構造でした。しかし、時を経て、市外側の開口部は一つに縮小され、トラバーチン製の壁で埋められる形に改修されました。

その後、マクセンティウス帝（在位306年 - 312年）とホノリウス帝（在位395年 - 423年）の時代にも改修が行われ、特にホノリウス帝は門の塔を増築しました。これらの改修により、サン・パオロ門はより強固な防御施設へと進化しました。

オスティア街道博物館

サン・パオロ門の塔内には、1954年に開館したオスティア街道博物館があります。この博物館では、オスティア街道の歴史や関連する考古学的資料を無料で鑑賞することができます。なお、アウレリアヌス城壁に関する展示は、サン・セバスティアーノ門内の博物館でより詳しく見ることができます。

周辺情報

サン・パオロ門の周辺には、歴史的な建造物や施設が点在しています。例えば、東京上野の国立西洋美術館には、ジョヴァンニ・バッティスタ・ピラネージが描いた『カイウス・ケスティウスのピラミッドとサン・パオロ門』という版画が収蔵されており、この版画にも描かれているように、門のすぐ隣にはガイウス・ケスティウスのピラミッドが建っています。また、郊外鉄道ローマ＝リード線のローマ・ポルタ・サン・パオロ駅に隣接して、ポルタ・サン・パオロ鉄道博物館もあります。

アクセス

サン・パオロ門へのアクセスは以下の通りです。

ローマ地下鉄B線：ピラーミデ駅
ローマ＝リード線：ローマ・ポルタ・サン・パオロ駅

まとめ

サン・パオロ門は、古代ローマの歴史と建築技術を今に伝える貴重な遺産です。門の壮大な構造、博物館、周辺の歴史的スポットを訪れることで、古代ローマの息吹を感じることができるでしょう。

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