サン・フェルナンド・デル・バジェ・デ・カタマルカ

サン・フェルナンド・デル・バジェ・デ・カタマルカ

サン・フェルナンド・デル・バジェ・デ・カタマルカ（San Fernando del Valle de Catamarca）は、アルゼンチンの北西部に位置するカタマルカ州の州都です。この街は、しばしば単に「カタマルカ」と呼ばれ、人々に親しまれています。2010年のデータによると、人口は約15万9703人ですが、都市圏全体では20万人を超え、州全体の約70%の人々がこの都市圏に住んでいます。また、「カタマルカ」という名称は、ケチュア語で「斜面上の要塞」を意味します。

地理

カタマルカは、アンバト山から流れ出るバジェ川を見下ろす位置にあり、標高は約500メートルです。この都市の面積はおおよそ684平方キロメートルであり、首都ブエノスアイレスからは1130キロメートルの距離に存在します。最寄りの州都はラ・リオハで154キロメートル、次いでサンティアゴ・デル・エステロ（209キロメートル）、サン・ミゲル・デ・トゥクマン（230キロメートル）です。カタマルカは観光の中心地でもあり、バシリカ・ヌエストラ・セニョーラ大聖堂は巡礼者に人気のスポットです。観光地としては、植民地時代の建築物やハイキング、マウンテンバイク、乗馬、ワイン試飲など、多様なアクティビティが楽しめます。都市にはコロネル・フェリペ・バレーラ国際空港があり、定期便がブエノスアイレスやラ・リオハと運航されています。

歴史

カタマルカの歴史は1558年に始まり、スペイン人入植者が「ロンドレス」と名付けた入植地を設立したことにさかのぼります。1683年には、フェルナンド・デ・メンドーサ・イ・マテ・デ・ルナが初の恒久的な入植地を築きました。1694年にはバシリカ・ヌエストラ・セニョーラ大聖堂が完成しますが、1882年の時点では人口はわずか8000人でした。1888年には鉄道が開通し、街の成長が期待されましたが、その後も経済発展は遅々として進まず、20世紀の半ばまで貧しい状況が続きました。政治面では、ビセンテ・サーディやその子ラモン・サーディなどの影響力のある家系が登場し、サーディ家は1990年代に政治的権力を失いましたが、カタマルカ州はなおも政治的に不安定です。

経済

カタマルカにおける主要な経済活動は農業です。降水量が少ないため、灌漑が必要ですが、市郊外のオアシス地域では果物やブドウが栽培され、質の高いワインが生産されます。また、地元の民芸品として手織りのポンチョも知られています。綿花生産や家畜飼育も重要な経済の一端を担っており、さらにファラジョン・ネグロ、バホ・デ・ラ・アルンブレーラ、カピリタス地区では金、銀、銅、錫が採掘されています。

気候

カタマルカの気候はステップ気候に該当し、年平均気温は約20度です。夏の最高気温は34度に達することが多く、気温は時に43度を超えます。一方、冬の最低気温は5度ほどで、高地では滅多に見られない-30度を下回ることもあります。降水は主に夏の雷雨による少量ですが、周囲の高山には年間を通じて雪が降るため、乾燥した低地とのコントラストがあります。

まとめ

サン・フェルナンド・デル・バジェ・デ・カタマルカは、豊かな自然や文化、歴史的背景に根ざした魅力的な都市です。観光、農業、歴史、気候と多様な魅力が詰まったこの場所は、今後の発展が期待される地域となっています。

もう一度検索