サン＝ポル伯

サン＝ポル伯：北フランスの歴史を彩る貴族

サン＝ポル伯は、かつてフランス北部のテルノワ地方を支配した貴族の称号です。その領地は、現在ではパ＝ド＝カレー県にあたり、アルトワ伯領とブローニュ伯領の間に位置していました。首都はサン＝ポル＝シュル＝テルノワーズで、その名はここに由来します。サン＝ポル＝シュル＝テルノワーズは、元々、堀に囲まれた二つの城からなる要塞でした。

歴代サン＝ポル伯

サン＝ポル伯の歴史は、いくつかの貴族家によって彩られています。

カンダヴェン家（1031年 - 1205年）

ロジェ（1031年 - 1067年）: 初代サン＝ポル伯。出自は不明です。
ユーグ1世（1067年 - 1070年）: ポンティユー家出身とも言われています。
ギー1世（1070年 - 1083年）: ユーグ1世の子。若年で伯位を継承したため、母の再婚相手が摂政を務めました。
ユーグ2世（1070/83年 - 1118/30年）: ギー1世の弟。
ユーグ3世（1118/30年 - 1141年）: ユーグ2世の子。
アンゲラン（1141年 - 1150年）: ユーグ3世の長男。早世しました。
アンセルム（1150年 - 1165年）: ユーグ3世の三男。
ユーグ4世（1165年 - 1205年）: アンセルムの子。
エリザベート（1180年 - 1212年）: ユーグ4世の娘で女子相続人。ゴーシェ3世・ド・シャティヨンと結婚しました。

シャティヨン家（1205年 - 1378年）

ゴーシェ3世（1205年 - 1219年）: エリザベートと結婚。
ギー2世（1219年 - 1226年）: ヌヴェール女伯、オセール女伯およびトネール女伯アニェス2世と結婚。
ユーグ5世（1226年 - 1248年）: ブロワ女伯マリー・ダヴェーヌと結婚。
ギー3世（1248年 - 1289年）: マティルド・ド・ブラバンと結婚。
ユーグ6世（1289年 - 1292年）: 1292年よりブロワ伯。
ギー4世（1292年 - 1317年）: マリー・ド・ブルターニュと結婚。
ジャン（1317年 - 1344年）: ジャンヌ・ド・フィエンヌと結婚。
ギー5世（1344年 - 1360年）: ジャンヌ・ド・リュクサンブール＝リニーと結婚。
マオー（1360年 - 1378年）: リニー伯ギー・ド・リュクサンブールと結婚。

リュクサンブール＝リニー家（1360年 - 1430年）

ギー（1360年 - 1371年）
ワレラン3世（1371年 - 1415年）
フィリップ（1415年 - 1430年）: ブラバント公およびリンブルフ公。
ジャンヌ（1430年）
ピエール1世（1430年 - 1433年）
ルイ（1433年 - 1475年）
ピエール2世（1475年 - 1482年）
マリー1世（1482年 - 1547年）: ローモン伯ジャック、ヴァンドーム伯フランソワと結婚。

ブルボン＝ヴァンドーム家（1482年 - 1563年）

フランソワ1世（2世）: マリー1世とヴァンドーム伯フランソワの子。
フランソワ2世（3世）: フランソワ1世（2世）の子。
マリー2世: フランソワ2世（3世）の妹。ソワソン伯ジャン、ヌヴェール公フランソワ1世、ロングヴィル公レオノールと結婚。

オルレアン＝ロングヴィル家（1563年 - 1705年）

フランソワ3世（4世）: マリー2世とロングヴィル公レオノールの子。
アンリ2世
ジャン・ルイ
シャルル・パリ
ジャン・ルイ（再位）
マリー: アンリ2世の娘。1705年、エピノワ公ルイ1世・ド・ムランの寡婦に売却。

ムラン家およびロアン＝スービーズ家（1705年 - ）

エリザベート・テレーズ・ド・ロレーヌ：エピノワ公ルイ1世・ド・ムランの寡婦。
ルイ2世・ド・ムラン：エリザベート・テレーズ・ド・ロレーヌとエピノワ公ルイ1世・ド・ムランの子
シャルル・ド・ロアン＝スービーズ：ルイ2世・ド・ムランの甥、エリザベート・テレーズ・ド・ロレーヌの外孫


サン＝ポル伯領は、その歴史の中で様々な貴族家が支配し、それぞれの時代において重要な役割を果たしました。その変遷は、フランスの歴史を理解する上で貴重な手がかりとなります。

参考文献
G.-Er. Sauvage Histoire de Saint-Pol, Impr. de J. Degeorge, 1834.
Maur-François Dantine, Charles Clémencet, Nicolas Viton de Saint-Allais, Ursin Durand, François Clément L'art de vérifier les dates des faits historiques, des chartes et des chroniques et autres anciens monuments, depuis la naissance de Notre-Seigneur par le moyen d'un table chronologique ..., Valade, 1818. [1]
Eugène François Joseph Tailliar Recueil d'actes des XIIe. et XIIIe. siècles en langue romane wallonne du Nord de la France, Impr. de A. d'Aubers, 1849.

関連項目
シャティヨン家
ルクセンブルク＝リニー家
オルレアン＝ロングヴィル家

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