サン＝ルイ＝デュ＝シュドの海戦

サン＝ルイ＝デュ＝シュドの海戦

サン＝ルイ＝デュ＝シュドの海戦、またはポール・ルイの海戦は、1748年3月22日にカリブ海のフランス植民地サン＝ドマングで発生しました。この戦いは、オーストリア継承戦争中に、イギリスとフランスの間で繰り広げられた重要な戦いの一つです。

背景

1739年にジェンキンスの耳の戦争が勃発して以来、イギリスはスペイン植民地への攻撃を繰り返していましたが、目覚ましい成果は得られていませんでした。オーストリア継承戦争が勃発すると、その戦火はカリブ海にも拡大し、フランスのグアドループ島、マルティニーク島、そしてサン＝ドマングはイギリス海軍によって厳重に封鎖されることとなりました。チャールズ・ノウルズ提督はルイスバーグ総督としての任期を終えた後、1747年7月15日に白色少将に昇進し、ジャマイカ・ステーションの総司令官に任命されました。

当初、ノウルズは艦隊を率いてスペインのサンティアーゴ・デ・クーバを攻撃する計画を立てていましたが、逆風に阻まれ、代わりにフランス領サン＝ドマングのサン＝ルイ＝デュ＝シュドを攻撃目標としました。1748年3月22日の正午直前、旗艦エリザベスに座乗するノウルズは艦隊を率いてサン＝ルイ港に進入し、守備軍を奇襲しました。サン＝ルイの停泊地は78門の大砲を備えた要塞によって守られており、総督エティエンヌ・コシャール・ド・シャステノワの指揮下にある310名の兵士と黒人砲手が、高さ24フィートの石壁の背後に陣を構えていました。

戦闘の経過

フランス軍は12時5分に砲撃を開始しましたが、イギリス艦隊は要塞の壁の下に錨を下ろすまで反撃を開始しませんでした。錨を下ろすと、ノウルズは至近距離からの片舷斉射を命じ、3時間にわたる激しい砲撃戦が繰り広げられました。イギリス艦隊はフランスの要塞に砲弾を浴びせ続けましたが、フランス軍も火船を派遣して対抗したため、エリザベスは一時的に錨を切り、退避を余儀なくされました。しかし、他の戦艦は砲撃を継続し、その圧倒的な火力により、要塞は徐々に崩壊し始め、フランス軍の砲火も弱まってきました。イギリス艦隊の容赦ない砲撃と要塞の崩壊が進む状況を見て、シャステノワはついに15時、降伏条件を交渉するために士官を派遣しました。ノウルズはこれに対し対案を提示し、シャステノワは30分後にこれを受け入れました。降伏の条件は、イギリス軍が妨害を受けることなく要塞を占領するというものでした。

戦闘の後

戦闘の結果、フランス軍の損害は160名に達しましたが、イギリス艦隊の損害は戦死19名、負傷50名にとどまりました。降伏したフランス軍の守備兵は、捕虜とはならず、イギリス軍と1年と1日の間は戦闘行為を行わないという条件の下、武器を保持したまま近隣の集落へ移動することを許可されました。要塞を占領したイギリス艦隊は、その後1週間をかけて要塞を完全に解体しました。任務を完了したノウルズは、1748年3月30日にサン＝ルイ＝デュ＝シュドを出港し、当初の目標であったサンティアーゴ・デ・クーバへの攻撃を試みましたが、このサンティアーゴ・デ・クーバの海戦ではスペイン軍に撃退される結果となりました。

戦列

ションベルクによれば、この海戦に参加したイギリスの艦船は、コーンウォール、エリザベス、プリマス、カンタベリー、ストラフォード、ウォリック、ウスター、オックスフォード、マーリン、ウィーズルであったとされています。

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