サヴォンリンナ・オペラ・フェスティバル

フィンランドのサヴォンリンナ・オペラ・フェスティバルは、毎年夏に開催される国際的なオペラ音楽祭です。会場となるのは、1475年に建造された湖上に浮かぶ要塞、オラヴィ城。その歴史的な景観の中で、オペラの芸術が繰り広げられます。

歴史

オペラ・フェスティバルの起源は、フィンランド独立前の1912年に遡ります。当時、ヨーロッパで名声を博していたフィンランドのソプラノ歌手、アイノ・アクテは、愛国者でもありました。彼女は1907年から、風光明媚なオラヴィ城をオペラ会場として構想していました。

アクテの指揮のもと、オペラ祭は1912年から5年間、毎年夏に開催されました。上演されたオペラのほとんどがフィンランド人作曲家によるものでした。しかし、1917年以降は、第一次世界大戦やフィンランド独立、フィンランド内戦などの影響により、開催が中断されました。

その後、歌唱講習会などを経て、国際的なオペラ公演の必要性が高まり、1967年にオペラ・フェスティバルが再開されました。再開時には、ベートーヴェンの『フィデリオ』が上演されました。

再開後は、新作オペラの初演も積極的に行われるようになりました。アウリス・サッリネンの『騎手』『王はフランスへ行く』『宮殿』、パーヴォ・ヘイニネンの『ナイフ』、エイノユハニ・ラウタヴァーラの『アレクシス・キヴィ』、カレヴィ・アホとオッリ・コルテカンガスの共作『時と夢』など、数々の作品がサヴォンリンナで初演されています。

現在では、サヴォンリンナ・オペラ・フェスティバルは1か月に及ぶ大規模なイベントへと発展しました。毎年約6万人の観客が訪れ、そのうち4分の1は海外からの観光客と言われています。歴史的な城塞を舞台に、国際的なオペラが楽しめるサヴォンリンナ・オペラ・フェスティバルは、フィンランドの夏の風物詩として、世界中の音楽ファンを魅了し続けています。

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