サーエゲ (航空機)

サーエゲ：イランの国産戦闘機

サーエゲ（ペルシア語: صاعقه‎; Ṣā‘eqeh）は、イラン・イスラム共和国によって開発された国産の戦闘機です。日本でも「サエゲ」または「サエケフ」と呼ばれることがあります。サーエゲという名前はペルシア語で「雷」や「稲光」を意味し、その名の通り、高速かつ高機動の能力を持つとされています。

公表と初飛行

この戦闘機は、2006年9月6日にイラン政府によって初めて公表されました。イラン側の説明によると、サーエゲはF/A-18と似た外観を持ちながら、技術的性能はそれを上回るとされています。これ以降、同年内に1機、さらに2007年9月には2機が生産され、合計3機が確認されています。その形状は試作機ごとに異なり、デザインがまだ完全に確定していない状態です。

外観と塗装

初めて公表されたサーエゲは制空グレーの塗装を施されていましたが、2007年以降は全ての機体がディープブルーの塗装に、黄色いラインが加えられました。3機共に、ドロップタンクはガルグレーという色合いで仕上げられています。

量産と訓練型

2015年1月7日には量産に入るとの発表があり、同年2月9日には複座型の訓練機、サーエゲ2が公開されました。これにより、イランの航空戦力の強化が期待されています。

性能と運用

サーエゲについては詳細な情報が少なく、その性能や具体的な運用能力には多くの謎が残されたままとなっています。イラン側は高い運動性と爆撃能力を保持していると説明していますが、実際には対地攻撃に主眼を置いた運用が予想されています。

機体の設計は、F-5Eをベースにステルス性を高めるために、垂直尾翼が機体に対して外側へ傾斜した形状となっています。イランはこの製造を「国産」として誇示していますが、F-5Eを参考にしているという意見も存在します。

技術的背景

一部では「イランには航空機開発に必要な技術がないのではないか」という懐疑的な意見もあります。しかし、イランはイラン革命以前にはアメリカからの支援を受け、その過程で国産練習機やF-5Eを基にした航空機の改良機を開発してきました。また、An-140のライセンス生産や、F-14AやF-4、F-5などの航空機部品の一部国産化も進めてきています。このように、イランには一定の技術力が蓄積されているため、全く開発技術がないとは言い切れません。

結論

サーエゲは、イランの戦闘機開発における一つの象徴であり、今後の航空戦力の強化が期待されていますが、その運用状況や性能には依然として謎が残ります。イランの航空機技術の進展は今後も注目されるポイントでしょう。

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