サーチャーズ

サーチャーズ (The Searchers)

サーチャーズは、イギリスのリヴァプールに根を持つロックバンドで、1960年代のブリティッシュ・インヴェイジョンの一端を担った重要な存在です。1959年にスキッフル音楽のグループとしてスタートし、当初はジョン・マクナリーとマイク・ペンダーの二人で結成されました。その後、トニー・ジャクソンとクリス・カーティスが加わり、バンドはリヴァプールのアイアン・ドア・クラブで定期的に演奏するようになります。

バンド名は、ジョン・フォード監督による西部劇映画『捜索者』に由来しています。1961年にリード・シンガーとしてジャクソンが加入し、アイアン・ドア・クラブを中心に活動を続けます。1962年には、ビートルズと同様にドイツのハンブルクにあるスター・クラブでの演奏も行い、その際のライブ音源は後にアルバムとしてリリースされています。

リヴァプールに帰還したサーチャーズは、名プロデューサーのトニー・ハッチと契約し、1963年にシングル「スイーツ・フォー・マイ・スウィート」でデビューを果たします。この曲は、オリコンのチャートで1位を獲得し、デビューアルバムも高評価を受けることとなります。その後のシングル「シュガー・アンド・スパイス」もまた成功を収めるなど、順調な滑り出しを見せました。

しかし、ジャクソンが脱退した後のサーチャーズは、メンバー交代を繰り返すことになります。ジャクソンの後を受けてフランク・アレンが加入すると、バンドは新たな方向へと進んでいきます。アメリカにおいては、カバー曲「恋の特効薬」が全米3位のヒットを記録し、サーチャーズの名前が広く知られることになりました。

1966年には、作曲能力のあるカーティスがソロ活動のため脱退し、新たにジョン・ブラントが加入します。サーチャーズはフォークロックにも挑戦し、マルヴィナ・レイノルズが手がけた「雨に消えた想い」をはじめとするフォークロック曲を発表しますが、このスタイルはすぐに影を潜めてしまいます。

その後、バンドのヒットが減少し、1969年にはジョン・ブラントが脱退、ビリー・アダムソンが加入しました。1971年には『デスデモーナ』がリリースされるも、アメリカのチャートでは最高94位にとどまり、次第に求心力を失っていくこととなります。

1978年には再びアルバムを発表し、パブ・ロックの影響を受けた新たな展開を見せました。その後も様々な変遷を経て活動を続け、1985年にはペンダーが新バンドを結成するために脱退。マクナリーとアレンは新メンバーを迎え入れ、更なる活動を展開していきます。

2013年、アダムソンがフランスで他界し、2018年には解散を発表。2019年3月31日のライブをもって、その歴史に幕を降ろしました。サーチャーズは、現在も多くの音楽ファンから愛され続けており、その影響は色あせることがありません。

メンバー

• - ジョン・マクナリー
• - マイク・ペンダー
• - トニー・ジャクソン
• - フランク・アレン
• - クリス・カーティス
• - ジョン・ブラント
• - ビリー・アダムソン

音楽と影響

サーチャーズの音楽は、ビート・グループのスタイルを基にしたメロディックなロックであり、当時のリスナーに強くアピールしました。そのサウンドはフォークロックやロックの融合を試みており、彼らの楽曲にはその影響が色濃く現れています。彼らの楽曲は後のアーティストや音楽スタイルにも影響を与え、多彩なジャンルを横断しながらリスナーの心に残るメロディを次々と生み出しました。

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