サーハリー

サーハリー(Sir Harry)は、18世紀末のイギリスで活躍したサラブレッド競走馬です。1795年生まれで、その競走生活において類まれな成功を収めました。彼の最大の功績は、1798年に行われた第19回ダービーステークス制覇でしょう。この勝利により、サーハリーは父であるサーピーターティーズル(Sir Peter Teazle、第8回ダービー優勝馬)に続き、ダービー史上初の親子制覇という金字塔を打ち立てました。

サーハリー自身の能力の高さを示すのはダービーの勝利だけではありません。彼はクラレットステークスやキングズプレートといった重要な競走でも勝利を収め、当時のイギリス競馬界におけるトップクラスの競走馬であったことがわかります。その競走成績は、類まれなスピードとスタミナ、そして強靭な精神力を兼ね備えていたことを物語っています。

サーハリーの毛色は青鹿毛で、体高は約157.5センチメートルでした。母はメイトロン(Matron)という名馬で、その血統背景も彼の優れた能力の一因と言えるでしょう。

競走馬としての輝かしいキャリアを終えたサーハリーは、1803年に引退。最初はイギリスで種牡馬として供用されましたが、翌1804年には1200ポンドという高値でアメリカ合衆国へと売却されました。これは、彼の能力と血統に対する高い評価を示すものであり、アメリカ競馬界への貢献にも繋がる重要な出来事でした。

アメリカで種牡馬となったサーハリーは、多くの優秀な競走馬を産み出しました。代表的な産駒には、サーアルフレッド(Sir Alfred)、サーハル(Sir Hal)、モーゼス(Haxhall's Moses)などがいます。さらに、母の父としても活躍し、オークス馬メドラ(Medora)といった名馬の誕生にも貢献しました。

サーハリーの競走馬としての成功、そして種牡馬としての成功は、彼の卓越した能力と、その血統の素晴らしさを証明するものです。ダービー優勝という栄光だけでなく、クラレットステークスやキングズプレートでの勝利、そしてアメリカでの種牡馬としての活躍を通じて、サーハリーはイギリス、そしてアメリカ競馬の歴史に名を刻む存在となりました。彼の血統は現在も世界中のサラブレッドに受け継がれており、その影響は現代競馬にも及んでいると言えるでしょう。サーハリーという名馬の活躍は、競馬の歴史における重要な一ページを飾るものです。

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