サーバファーム

サーバファームとは

サーバファームとは、多数のサーバを物理的に集積したものを指します。単にサーバが多数集まっている状態を指す場合もあれば、負荷分散されたサーバ群が協調して一つのサービスを提供するシステムを指す場合もあります。

構成と機能

サーバファームは、単体のサーバでは対応できない大規模な処理や、高可用性が求められるサービスを実現するために用いられます。特に後者の場合、現用サーバとバックアップサーバを組み合わせることで、現用サーバに障害が発生した場合でも、バックアップサーバが自動的に処理を引き継ぎ、サービスを継続できるような冗長構成が採用されることが一般的です。

サーバファームは、コンピュータ・クラスターを構成する要素として用いられることが多く、スイッチングハブやルーターなどのネットワーク機器と共に構成され、クラスタ内の他の部分や、ユーザーとの通信を可能にします。近年では、スーパーコンピュータも、高性能CPUを搭載したサーバを高速ネットワークで相互接続した巨大なサーバファームとして構築されることが多くなっています。

さらに、サーバファームは、ホスティングサーバとして、Webサイトやアプリケーションを公開するための基盤としても利用されます。このように、サーバファームは、様々な用途で、現代の情報社会を支える重要なインフラとなっています。

メインフレームとの比較

大企業においては、メインフレームの代替や補助としてサーバファームが利用されるケースが増えていますが、メインフレームと同等の信頼性を実現するにはまだ課題が残されています。サーバファームは多数のサーバで構成されるため、個々のサーバの故障は日常的に発生します。そのため、大規模なサーバファームの運用では、冗長構成、自動フェイルオーバ、迅速な再構成といった、故障を前提とした対策が不可欠です。

大規模サーバファームの制約

大規模なサーバファーム、特に数千ものプロセッサを搭載するようなシステムでは、その性能はプロセッサ自身の性能よりも、設置場所であるデータセンターの冷却システムの能力に左右される傾向があります。そのため、個々のプロセッサの性能よりも、消費電力当たりのスループットが重視されるようになります。

サーバファームの関連技術

サーバファームに関連する技術としては、以下のようなものが挙げられます。

リンクファーム: Webサイトへのリンクを大量に生成し、検索エンジンのランキングを操作する手法。
ブレードサーバ: 複数のサーバ機能を1つの筐体に集約した省スペースなサーバ。
データセンター: サーバやネットワーク機器を集中的に設置・運用する施設。
レンダーファーム: 3DCGなどのレンダリング処理に特化したサーバ群。
* プロビジョニング: ITリソースを必要に応じて割り当てるプロセス。



サーバファームは、現代社会を支える重要な基盤であり、今後もその需要は拡大していくと考えられます。

もう一度検索