サーフェスモデリング

サーフェスモデル：3DCGにおける表面表現

3次元コンピュータグラフィックス（3DCG）において、サーフェスモデルとは物体の表面形状のみを定義した3次元モデル、またはそれを作成するモデリング手法を指します。内部構造は持たず、表面の形状データのみで構成されるため、軽量でレンダリング処理が高速に行えます。そのため、多くの3DCGソフトウェアで広く利用されている主要なモデリング方式です。

サーフェスモデルは、内部が空洞であることから、しばしば「張り子」や「張りぼて」に例えられることがあります。これは、ソリッドモデルのように内部まで完全に表現されたモデルとは対照的です。ソリッドモデルは物体の内部構造まで含めた完全な3次元モデルであるのに対し、サーフェスモデルはあくまで表面形状の表現に特化しています。

もう一つの主要な3次元モデルであるワイヤーフレームモデルは、物体の形状を構成する線（稜線）のみで表現したモデルです。サーフェスモデルは、このワイヤーフレームモデルを面で構成したものと考えることもできます。逆に、サーフェスモデルの面要素を取り除くとワイヤーフレームモデルになります。これら3つのモデルは、それぞれ表現の精度や用途が異なります。

サーフェスモデルの表現方法として、境界表現（Boundary Representation、B-Rep）が広く用いられています。B-Repは、物体の表面を幾何学的な要素（面、辺、頂点）とその接続関係（位相情報）によって定義する方法です。一般的には、複数の平面や曲面のパッチを繋ぎ合わせたメッシュ構造で表面を表現します。このパッチは、多くの場合ポリゴンやパラメトリック曲面で構成されます。

ポリゴンメッシュは、多数の多角形（ポリゴン）を繋ぎ合わせて表面を近似する表現方法です。三角形や四角形といったシンプルなポリゴンを多く用いることで、複雑な形状も比較的容易に表現できます。パラメトリック曲面は、数学的な関数によって定義された曲面を用いて滑らかな表面を表現する方法です。より精緻で自然な曲線を表現できる一方で、計算コストが高くなる傾向があります。

サーフェスモデルは、レンダリングによる画像生成を主な目的とする3DCGにおいては非常に有効な手法です。内部構造を考慮する必要がないため、計算量が少なく、リアルタイムレンダリングにも適しています。一方、内部構造が必要なシミュレーションや、精密な設計図作成には適していません。そのような用途には、ソリッドモデルが用いられることが一般的です。ソリッドモデルは、サーフェスモデルにボリューム要素を持たせたモデルと解釈することもできます。つまり、完全に閉じられたサーフェスモデルに厚みを持たせることでソリッドモデルとなるのです。

サーフェスモデルは、ゲーム開発、アニメーション制作、建築設計の可視化など、幅広い分野で活用されています。その軽量性とレンダリングの効率性から、リアルタイムでの表示やインタラクティブな操作が必要なアプリケーションに最適なモデルと言えるでしょう。今後ますます高度化が進む3DCG技術においても、サーフェスモデルは重要な役割を担っていくものと予想されます。

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