サーベイヤー5号

サーベイヤー5号について

サーベイヤー5号（英: Surveyor 5）は、アメリカのサーベイヤー計画の一環として1967年に打ち上げられた月着陸探査機です。この探査機は9月8日に打ち上げられ、3日後の9月11日に静かの海（マレ・トレンクイリタット）に着陸しました。サーベイヤー5号は19046枚もの画像を地球に送信したことで知られ、月面探査の重要なデータを提供しました。

計画とミッション

サーベイヤー5号のミッションには、バーニアエンジンを利用した液体燃料の加圧システムのテストが含まれており、ヘリウム漏れの問題を抱えていました。このため、着陸の際には失敗のリスクがありましたが、逆噴射の機構によって42kmの高度から1340mまで減速し、106秒間の即興の着陸シークエンスを経て無事に着陸に成功しました。

着陸後は、2週間にわたってデータが送信され、カメラやセンサーを通じて月面の土壌や化学元素の分析が行われました。特に、アルファ粒子の後方散乱計を使用して月面の土壌成分（主に玄武岩）の測定を行ったことは、地球外物質の理解に大きく寄与しました。また、サーベイヤー5号は、月面の化学的特性を評価するためのデータも収集しました。

着陸とその後の活動

サーベイヤー5号は、1967年9月11日0時46分44秒（UT）に、静かの海の傾斜したクレーターに着陸しました。着陸後、9月24日から10月15日までの月の夜を除いて、実験のデータを送信し続けました。通信は11月1日まで受信され、その後も再起動が可能で、最終的には12月17日まで機能しました。この間、サーベイヤー5号は約19046枚の画像を地球に送信しましたが、月の夜における低温の影響で画像の質が低下することもありました。

装置と機能

テレビカメラ

サーベイヤー5号に搭載されたテレビカメラは、ビジコン管を用いて画像を収集しました。このカメラは360度の方位で撮影でき、その軸は16度傾斜して設計されていました。カメラは地球からの指令で動作し、異なる解像度で画像を送信しました。画像は、最初の昼間帯に18006枚が送信され、続いて夜間を経て1048枚が拍信されました。4回目の昼の段階では、写真の質が夜間の低温によって劣化しましたが、大量の画像データを取得できました。

アルファ散乱表面分析器

アルファ散乱表面分析器は、月面の主要な元素の測定を目的としていました。この装置は、キュリウム242から放出されるアルファ線を使って、月面からの散乱データを収集しました。これにより、月の土壌に含まれる主な元素の情報を得ることができました。最初の昼には83時間、次の昼には22時間分のデータが収集されましたが、ノイズの問題があったものの、重要な科学的知見をもたらしました。

まとめ

サーベイヤー5号は、アメリカの宇宙探査の歴史において重要な役割を果たしました。この探査機は、月面の詳細な画像を提供し、地球外の土壌成分分析において多大な貢献をしたのです。未来の宇宙探査に向けての基礎データとして、サーベイヤー5号の成果は今日でも評価されています。

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