サーベイヤー7号

サーベイヤー7号

サーベイヤー7号は、NASAが実施したサーベイヤー計画の第7弾であり、この計画における最終の月面探査機です。この探査機は、1968年1月10日に打ち上げられ、同日に月のティコクレーター近くに着陸しました。着陸地点から3km以内での正確な軟着陸は、この計画の一環として非常に重要でした。

サーベイヤー7号の主な目的は、これまでの探査機が得られたデータとは異なる情報を得ることにありました。これには、月面への新しい位置での軟着陸、着陸後のテレビ画像の取得、化学元素の存在量の測定、月面の物質操作、さらには着陸時の動的データや熱、レーザー反射率の測定が含まれていました。今回の探査機は前任の6機と似た設計ながら、多くの科学装置が搭載され、新たなデータ収集が期待されました。

搭載された主要な機器には、偏光フィルター付きのテレビカメラがあり、これは表面試験器や磁石、表面用のスコップなどと組み合わせて、詳細な月面調査を実施しました。特に、支援用の補助鏡は、宇宙機の下部を観察するためや、立体映像を得るために活用されました。これにより、サーベイヤー7号は21,091枚もの高品質な画像を撮影し、その情報を地球へと送信しました。

運用は、軟着陸後すぐに開始され、月の日没から80時間後の1968年1月26日まで続けられました。1月20日には、テレビカメラが地球の夜側にあるキットピーク国立天文台およびテーブルマウンテン天文台から放たれた光を確認しました。月面の2日目には、計画目標がすべて達成され、合計で21,091枚の画像を獲得して送り返すことができました。

しかし、初日の夜に電池が損傷し、通信が不安定になりました。1968年2月20日には通信が完全に途絶えてしまいました。サーベイヤー7号は、月の夜明け時に宇宙を背景にかすかな光を観測した初めての宇宙機であり、これは静電気が原因で浮上した月の粒子が光を反射したものだと考えられています。

装置の詳細

映像機器

サーベイヤー7号に装備されたテレビカメラはビジコン管を使用しており、25mmと100mmの焦点距離レンズやシャッター、偏光フィルタを備えていました。このカメラは垂直に設置され、方向の調整ができるステッピングモーターが搭載されていました。このカメラは、月面からの光散乱の偏光成分を命中させるための分析器として機能しました。撮影範囲は360度あり、上下方向では+90度から-60度までの撮影が可能でした。

アルファ散乱分析器

アルファ散乱表面分析器は、月面の主要な物質の存在量を計測するために特別に設計されています。この装置は、キュリウム242を使ったアルファ源視準器を搭載し、月面のサンプルを照らして情報を得ることができます。ここから得られたスペクトルデータには、水素、ヘリウム、リチウムを除く他の主要元素の量が記録されました。

土質力学表面調査器

この装置は月面の土壌の掘削や移動、分析のための機器であり、主に鋭い刃を持ったスコップが使われます。サーベイヤー7号では、月面に対する作業を行うことで科学的なデータを収集しました。これらの活動によって、さまざまな組成の土壌の分析が漢書され、必要なデータを提供しました。

サーベイヤー7号の成功は、今後の月面探査や地球外探査のための重要な基礎を築きました。

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