ザイマージェン

ザイマージェン（Zymergen Inc.）は、アメリカ合衆国カリフォルニア州エメリービルに拠点を置く、革新的なバイオテクノロジー企業です。同社は、ゲノミクスと機械学習という最先端技術を融合させ、遺伝子組換え微生物の設計、製造、研究開発に取り組んでいます。特に注目すべきは、AIを搭載したロボットを活用し、微生物の遺伝子組換えプロセスを自動化している点です。これにより、従来の手法よりも効率的かつ迅速な開発が可能となり、様々な産業分野への応用が期待されています。

ザイマージェンの事業の中心は、遺伝子組換え微生物を利用した高機能素材の量産化です。具体的には、樹脂素材やタンパク質などの生産効率を向上させるための研究開発が行われています。これらの素材は、ディスプレイ用の光学フィルム、傷に強いハードコート材料、フレキシブル基板向けの材料、接着剤といった、幅広い分野で利用されることが想定されています。

同社の技術力は、多くの企業や研究機関から高い評価を受けており、フォーチュン500にランクインするような世界トップクラスの企業や、国防高等研究計画局（DARPA）も顧客に含まれています。DARPAは、ザイマージェンに対し、ポリイミド薄膜を製造するための微生物開発を依頼しており、その技術力の高さが伺えます。

ザイマージェンは、その成長過程において、積極的に事業拡大を進めてきました。2018年には、メタゲノム解析を手がけるRadiant Genomicsを買収し、自社の技術基盤を強化しました。また、2019年には、住友化学との提携を発表し、ディスプレイ用の光学フィルムや高機能材料の開発を共同で進めることになりました。

以下にザイマージェンの沿革をまとめます。

2013年1月1日：ジョシュア・ホフマン、ザック・サーバー、ジェド・ディーンによって設立。
2014年1月1日：シードラウンドでGenoa Ventures主導により200万ドルの資金調達を実施。
2015年6月16日：シリーズAラウンドでData Collective主導により4,210万ドルの資金調達を実施。
2016年10月11日：シリーズBラウンドでソフトバンクグループ主導により1億3,000万ドルの資金調達を実施。また、スタンフォード大学教授でノーベル物理学賞受賞者のスティーブン・チューを取締役として招聘。
2018年1月8日：Radiant Genomicsを買収。
2018年12月13日：シリーズCラウンドでソフトバンク・インベストメント・アドバイザーズ主導により4億ドルの資金調達を実施。
2019年4月17日：住友化学と高機能材料の開発で提携。

ザイマージェンは、ゲノミクス、機械学習、自動化技術を組み合わせることで、バイオテクノロジー分野における新たな可能性を切り拓いています。同社の技術が、今後の産業界にどのような変革をもたらすのか、その動向が注目されます。

関連事項
ゲノミクス
メタゲノミクス
スティーブン・チュー
ディープ・ニシャール

外部リンク
Zymergen

Category::アメリカ合衆国のバイオテクノロジー企業

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